Project/Area Number |
15H00582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大野 麻理奈 難治疾患研究所, 技術補佐員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 線虫 / 餌 / 蛍光スプライシングレポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、所属研究室で開発された生体内選択的スプライシングパターン可視化法を応用して、線虫のメチオニン代謝回路の酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素をコードするmthf-1遺伝子の選択的スプライシングパターンの違いを2色の蛍光タンパクで生きたまま観察するレポーター線虫を作製することにより、餌が遺伝子発現へ与える影響のセンサーを構築することを目的とした。そのために、mthf-1遺伝子の蛍光スプライシングレポーターミニ遺伝子を作製し、線虫生殖巣へ微量注入して、全身でmthf-1遺伝子の蛍光スプライシングレポーターを発現するトランスジェニック線虫株を作製した。このレポーター線虫を大腸菌0P50株又はComamonas属DA1877株で2世代飼育して観察したところ、腸においてレポーターの発現が異なることを見出した。一方、mthf-1プロモーターのトランスジェニックレポーター線虫を作製したところ、mthf-1遺伝子は主に腸、咽頭筋と下皮で発現していることを見出した。これらのことから、mthf-1遺伝子の選択的スプライシング制御には組織特異性があり、餌の違いによりmthf-1遺伝子のスプライシングパターンが異なるのは、主に腸での選択性が変化することに起因するように見える。今後は、今回作製したレポーター線虫を用いて、蛍光タンパク質の発現を指標として、さまざまな細菌がmthf-1のスプライシングへ与える影響を確認する。また、変異誘導を行ない、餌の種類を変えても遺伝子発現が応答しない突然変異体線虫の単離を試みる。これらの解析により、餌がmthf-1遺伝子のスプライシングに影響を与える分子機構の解明やmRNA前駆体上の応答配列同定など、今後の様々な研究が進むことと期待される。
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