新しいグリコサミノグリカン二糖解析方法-古典的二糖化法と、現代的検出法との融合-
Project/Area Number |
15H00583
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
長子 晴美 島根大学, 医学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | グリコサミノグリカン / 質量分析 / 化学的二糖化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの研究で、グリコサミノグリカン(GAG)の多様な構造を解析するためにすべてのクラスのGAG二糖を質量分析により網羅的に解析する方法を確立したが、次のような要改善点に気づいた。 (1)測定条件を変更することにより、分析時間を短縮する。 (2)4クラスに特異的な酵素(コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ケラタナーゼ)で二糖化していたが、酵素を必要としない古典的な二糖化法である亜硝酸を用いる方法(化学的二糖化法)により、すべてのクラスを網羅的に解析する系を作る。 (3)酵素による二糖化法ではエピマー部分が不飽和化されるため、コンドロイチン硫酸とデルマタン硫酸は区別できなかった。化学的二糖化法では異性体として異なる二糖が生じるので、カラムからの溶出時間が異なれば区別することができると思われる。 これらの問題点を克服するため検討を重ね、以下のような結果を得た。 (1)分離時の温度と流速を上げ、さらにカラム長を短くすることで、25分の系を7分に短縮できた。 (2)長鎖GAGから作成した化学的二糖化法による二糖(標品は市販されていない)の推定されるイオンが検出できた。 (3)検出されたイオンのMS/MSを行って、同定するためのチャネルを作成した。 (4)作成したチャネルを用いて分析すると、長鎖デルマタン硫酸からはコンドロイチン硫酸とは異なる溶出時間にピークが検出され、エピマーを区別できる可能性が示唆された。 (5)ブタ関節軟骨由来のGAGを化学的二糖化し解析すると、酵素による二糖化で同定されたのと同じ二糖に由来すると思われるピークが検出できた。 研究結果の一部を「第63回質量分析総合討論会」、「第40回日本医用マススペクトル学会年会」、「第30回日本整形外科学会基礎学術集会」、「第88回日本生化学会大会」にて発表し、「第38回生理学技術研究会」において招待講演し、まとめた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)