Project/Area Number |
15H00589
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西塔 毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 臨床工学技士
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 脊髄虚血 / 高濃度酸素投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素は生物が生きていくには必須であるが、過剰な酸素供給は様々な障害を来すことが知られている。例えば、高濃度の酸素供給は肺実質の線維化を促進することが教科書に記載されている。加えて、脳梗塞後の長期間・高濃度酸素投与は生存率を悪化させることも報告されている。よって、過剰な酸素投与を避けるのが一般的であり、再灌流時の高濃度酸素の影響自体に関して、あまり調べられていない。しかしながら、脳虚血再灌流モデルの研究では、再灌流から90分~2時間の短時間・高濃度酸素投与*は酸化ストレスや脳梗塞領域を減少させるなど、これまでの概念と真逆の保護作用がいくつか報告されている。また、短期間の高濃度酸素投与は、抗炎症作用があるなどの報告もある。当然、脊髄虚血再灌流においての高濃度酸素投与の影響を調べた報告は未だ皆無である。 そこで、今回、短時間高濃度酸素投与による影響をラット脊髄虚血再灌流モデルにて検討を行った。 方法 1、ラットの脊髄虚血再灌流モデル(体温37度)にて、脊髄虚血直後から100%酸素濃度投与を行う群と30%酸素濃度で行う群、虚血を行わないsham群で脊髄再灌流障害の評価を行った。再灌流運動能の評価は再還流後24時間で運動能のスコア化にて実施。 2、運動能の評価後、深麻酔下で組織(膨大部)を取り出し、HE、8-ohdg、ニッスル染色し、組織学的評価(再灌流24h時のみ)を行なった。 その結果、再灌流24時間後の比較では、100%酸素濃度投与を行う群の方が若干運動能の改善が見られ、酸化ストレスを受けた神経細胞の増加はなかった。今回、短期間の評価では脊髄再灌流障害を改善する可能性が示したが、長期的な影響など不明な点があることから、今後も更なる検討を行う必要があると思われる。
|