火災現場の遺留資料を想定した予備検査及びDNA型検査の実施と検討
Project/Area Number |
15H00592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | 広島県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
竹中 崇洋 広島県警察本部刑事部科学捜査研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 法生物学 / 火災 / だ液 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 目的 火災現場由来の資料に対する法生物学的な情報が不足しているため、火災現場における資料選別方法やDNA採取要領の確立、そしてこれらの有効な検査方法が明らかになれば、現場活動及び鑑定において有用な情報となり得る。本研究では、火災の遺留資料として嘱託される可能性の高いだ液を用いて検討を行った。 2 方法 (1) 火災現場を想定した部屋を用意し、室内の6箇所に資料(だ液付きスプーン及び立方体の木片)及び温度センサーを設置した。燃焼後資料を回収し、だ液検査及びDNA型検査を実施した。また、木片は熱がどの方向からどのくらい資料に加わったかを推定する指標として用いた。 (2) ガスクロマトグラフィーのオーブンを用いて、温度(100~400℃ ; 各1分間)あるいは加熱時間(1~20分 ; 各200℃)を変えてだ液資料を加熱後、だ液検査等を実施した。 3 結果 模擬火災現場から得た資料について各検査を行ったところ、最高温度が約230℃であった2箇所においてだ液が証明され、DNA型も検出された。その他の4箇所においては最高温度が300℃を超え、だ液検査陰性でヒトDNAも得られなかった。また一緒に設置した木片は、先の2箇所のものは他に比べて明らかに炭化の程度が弱く、どの面も木目が判る状態であった。 オーブンにより加熱温度を変えた検討では、だ液検査で一貫した結果は得られなかったが、ヒトDNA証明検査及びDNAの定量に関しては、200℃までの資料でヒトDNAが得られた。また、加熱時間を変えた検討では、2分以内のものはだ液検査陽性でヒトDNAも得られた。 以上の結果から火災現場由来のだ液資料では最高温度が200℃前後で、加熱時間が2分以内のものを選択する必要があると示唆された。また、だ液の証明がされないこともあるため、ヒトDNA証明検査も視野に入れた鑑定が必要であると考えられ、今後の資料採取及び鑑定方針について有用な情報が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)