変動電磁界制御下のラジカルペア理論に基づく新規薬剤デリバリー技術の開発研究
Project/Area Number |
15H00602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中川 秀紀 東京電機大学, 工学部, 研究員
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ラジカル対機構 / ドラッグデリバリー / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、体力の衰えた高齢者・障害者および新生児などを対象に有効かつ安心・安全な難治性疾患治療を実現するため、リボソーム体を光磁気的に制御可能な極低侵襲新規薬剤デリバリー技術の開発を目指した。リボソーム膜内で展開されるラジカルペア機構を光磁気重畳効果によって制御し、生体内局所での薬物濃度分布を極低侵襲的に遠隔制御するという本研究内容は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)による難治性疾患治療の分野で極めて重要性が高いと思われる。 光励起によるラジカルペア形成が明らかな各種の有機化合物をリボソーム膜内に封入し、励起光照射時のペア由来生成物の散逸に対する磁界印加の影響を調べた。従来までの紫外可視吸収の測定に加え、本研究用に独自レイアウトした高感度蛍光検出部を新たに装置内部に組み込み、励起ペアが基底状態に戻る際に発する微弱蛍光を同時計測した。その結果、~2 MHzの高周波磁界印加による変動電磁環境下のリボソーム膜において、熱力学的不安定な脂質分子間からの内包薬物リリースに効果的な磁界印加条件を見いだすことができた。また動物実験による評価系では対象臓器への高効率かつ極低侵襲的光照射法の新規開発に着手し、ファイバ本体形状の選別・加工等を含めた機械工学的改良をおこなった。皮下への穿刺状態および臓器到達度など幾つかの要求仕様を満たす条件検討の結果、ファイバ径の最適値φ0.2mmを導出した。本径グラスファイバの先端部を特殊形状化することで高等動物表皮に対するほぼ無痛穿刺を可能とし、紫外線LED光源(UV-LED)を用いた生体深部までの極低侵襲的光励起が実現化した。本研究の推進にともない、生体局所に分布した薬剤の主効果促進および副作用軽減を遠隔磁気的に制御可能となり、光化学磁場効果を利用した極低侵襲DDS治療の将来的発展に大きく貢献することが期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(25 results)