Project/Area Number |
15H00607
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
井出 裕一郎 信州大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | フローサイトメトリー / 細胞表面抗原 / 融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】 フローサイトメトリー法(以下、FCM法)は、細胞表面あるいは細胞内に発現している抗原の種類とその組み合わせから腫瘍細胞の鑑別を行うが、近年基礎研究分野で開発されたSmartFlare法を応用し、FCM法で腫瘍細胞と判定された細胞集団の遺伝子異常も同時に検出する新規FCM法の開発を目的とした。 【研究方法】 1) 蛍光標識プローブの作製 本研究では、新規FCM法のモデル実験として慢性骨髄性白血病細胞株K562を用いて検討を行った。本細胞株が有する融合遺伝子BCR-ABLの切断点を含むようにプローブの配列をデザインした。 プローブ配列 : 5'-ACTGGATTTAAGCAGAGTTCAAAAGCC-3' 2) 蛍光標識プローブの添加とフローサイトメーターでの蛍光検出 細胞培養には10%FBS添加RPMI1640(GIBCO)を使用した。蛍光標識プローブを添加して37℃、5%CO_2条件下で24時間培養し、FACSCant™Ⅱ(BD)を用いて蛍光の検出を行った。 【本研究の成果】 蛍光標識プローブを添加して培養したK562は蛍光強度の高い細胞集団として検出が可能であり、プローブを添加せずに培養したK562と比較して明らかな差が認められた。しかし、対照実験としてBCR-ABLの発現がない細胞株(今回は急性単球性白血病細胞株THP-1を用いた)で同様の実験を行ったところ、蛍光強度は高くはないものの、陽性と判定される強度の蛍光を認める結果となった。これは蛍光標識プローブによるバックグラウンドの蛍光を検出してしまっている可能性が高いと考えられるが、その条件設定がまだ確立できていない状況である。また、培養後の細胞に対し通常のFCM法と同様に標識抗体を反応させたところ、プローブ添加の有無に関わらず同じ結果が得られ、プローブの添加による細胞表面の抗原性に影響はないことが確認された。今後は蛍光プローブ検出の条件設定の確立および臨床検体を用いた臨床特異性の評価を課題として本研究を遂行していきたいと考える。
|