Project/Area Number |
15H00618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 修 奈良県立医科大学, 附属病院, 言語聴覚士
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2015: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 乳幼児聴力検査 / 震音 / 親の呼びかけ声 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 2015年9月~2016年3月に5ヶ月~3歳6ヶ月までの32名(男18名、女14名)に従来の検査音である震音と録音した親の呼びかけ声を用いて乳幼児聴力検査を行った。1名は検査中に泣き出し検査中止となった。 震音と親の呼びかけ声の平均検査時間は、震音が約5分半、親の呼びかけ声は約2分半であった。乳幼児は同じ場所に長時間居続けるが困難な場合もあり、検査時間の短縮は重要である。親の呼びかけ声は録音などの準備を要するが、検査時間は児が椅子に座っていられる程度の時間であった。 検査開始時の閾値上の音呈示で明瞭な反応が得られたのは震音9名、親の呼びかけ声26名であった。閾値確定時の音呈示で明瞭な反応が得られたのは震音21名、親の呼びかけ声29名であった。震音には興味を示さず、反応不明瞭な児でも慣れ親しんだ親の声であれば動きが止まる、驚く、音源を探すなど、震音に比べ反応が明瞭であった。児の音に対しての確定的な反応を見るのは難しいが、親の呼びかけ声を用いることで、よりわかりやすい反応を引き出すことが可能であった。また、検査に同席した親からも親の呼びかけ声を呈示した際は、「子供の反応がわかりやすい」という意見も聞かれた。また、閾値確定時の音圧は震音と親の呼びかけ声で大きな差はなかった。 【意義・重要性】 乳幼児期の聞こえは、その後の社会性・言語発達などに大きく関わってくる。乳幼児聴力検査は他覚的聴力検査に加え、発達途上における乳幼児の聴性行動をみるためにも何らかの形で音への反応を見る必要がある。今回の親の呼びかけ声を用いた検査は、検査前に声を録音するという手間があり、準備面などで未だ課題はあるが、児の興味を引きやすい音刺激で信頼性の高い検査結果が得られることがわかった。特に反応の様子は、震音ではみられない驚きの表情や明らかな探索行動がみられるなど、興味深いものであった。
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Report
(1 results)
Research Products
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