化学療法後にみられる末梢血好中球の形態異常について、その出現状況を調査する研究
Project/Area Number |
15H00620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 牧子 山形大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 偽ペルゲル核異常 / 化学療法薬剤 / 末梢血液像 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢血液の血液像検査において、骨髄異形成症候群(MDS)などに特徴的にみられる好中球の形態異常、特に偽ペルゲル核異常や脱顆粒、過分葉などはその診断に有用かつ重要な所見である。しかしここ数年は、化学療法をうけた患者の末梢血にも一時的に形態が異常な好中球が観察されるようになってきている。日常の末梢血液像検査において、好中球の形態異常を発見しMDS等の血液疾患を拾い上げることは非常に重要であるにもかかわらず、化学療法患者の一時的な形態異常との鑑別が必要となり、正確な報告を行うことに支障をきたしている。しかしながら、投与薬剤と形態異常の関係についての詳細な報告は極めて少ないのが現状である。 そこで、化学療法薬剤であるドセタキセルとパクリタキセル投与患者に一時的にみられると言われている偽ペルゲル核異常について、出現の実態を統計学的に把握することを目的とし本研究を行った。 方法は、ドセタキセルとパクリタキセル投与患者で血算の検査依頼があった患者について、投与前から投与後4週間をめどに末梢血液塗抹標本を作製・染色し、好中球の形態異常を観察、集計した。また、投与後に形態異常が出現する頻度、期間、程度、消失までの期間を調査した。 その結果、好中球の形態異常の出現に一定の傾向が観察され、ドセタキセルやパクリタキセル投与後、5~7日をピークに、主に偽ペルゲル核異常が顕著に、また一過性に出現することが明らかとなった。その成果は第4回北日本支部医学検査学会にて発表した。一方、患者によっては好中球異常が出現しにくい例が存在した。この現象には投与濃度や排出率(腎機能)などの関与が予想され、更なる課題もみつかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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