Project/Area Number |
15H00631
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名倉 豊 東京大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 持続型オゾン水 / 血小板機能保持 / 輸血用血液有効利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
血小板製剤の有効期限の延長及び洗浄血小板作製時の活性化抑制の方法の確立をめざして、殺菌作用を有し、オゾンからの酸素供給作用が期待できる持続型オゾン水に着目し、検討を実施した。健常人より採取した多血小板血漿(PRP)に持続型オゾン水を添加し血小板機能について評価を行ったところ、オゾン濃度1~3ppmで対照(生理食塩液)と比較し血小板凝集能、%HSRの保持および血小板活性化の抑制効果が確認された。しかし、高濃度(10ppm)では逆にこれら機能を低下させた。この原因を探るため、持続型オゾン水のオゾン活性維持に使用する溶媒(海洋深層水(にがり))に着目し、にがりのみを用いて同様の検討を行ったところ、オゾン添加濃度と並行してにがりのみの添加でも血小板機能保持効果および高濃度での機能低下が認められた。にがりはCa^<2+>やMg^<2+>を高濃度に含有しているため、オゾンよりにがりが血小板機能に影響を与えたと考えられた。次に、血小板製剤を用いた血小板機能の経時的変化を確認した。上記検討結果をふまえ、にがり濃度を一定にした状態でオゾン濃度を0 (対照)、2、5ppmとなるように製剤に添加し、7日間保存したところ、いずれのオゾン濃度も対照と比べ、血小板機能に変化を認めなかった。さらに細菌増殖の抑制効果の確認のため、血小板製剤に細菌を播種(20cfu/100ml)し、同様のオゾン濃度にて検討を実施したところ、いずれの濃度も2日目より細菌が検出され、細菌増殖抑制効果に差を認めなかった。続いて、オゾン水添加洗浄置換液を用いて洗浄血小板を作製し、血小板機能の変化について検討を試みたが、洗浄・置換後、2時間以内に血小板の凝集が認められ検討が継続できなかった。 持続型オゾン水には殺菌作用および酸素供給作用を有することが確認されており、血小板に対して有用な効果が期待されるが、血小板製剤への応用には、これら製剤に利用でき、オゾンを維持できる溶媒を選択する必要があると考えられた。
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