Project/Area Number |
15H00646
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | 東京都保健医療公社豊島病院 |
Principal Investigator |
山田 景土 東京都保健医療公社豊島病院, 検査科, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | Moraxella catarrhalis / キノロン系抗菌薬 / キノロン耐性決定領域 |
Outline of Annual Research Achievements |
Moraxella catarrhalisは呼吸器感染症の主要起炎菌として認識されている。一方でキノロン系抗菌は広域抗菌スペクトルを有し、優れた体内移行性を有する為、臨床現場で使用頻度の高い抗菌薬である。本研究では、M. catarrhalisのキノロン系抗菌薬耐性機構について、未だ不明な点が多いことから、in vitroで作製した耐性株を使用して、キノロン耐性に関わる分子機構の解明を試みた。耐性株はstepwise selectionを用いて作製し、levofloxacinのMIC分布が0.25mg/Lから32mg/Lを示す株を得た(wild type ; 0.032mg/L)。得られた菌株における、キノロン作用標的であるgyrA, gyrB, parCおよびparE遺伝子のオープンリーディングフレーム領域の塩基配列を決定した。高度耐性株では低感受性株(MIC ; 0.25mg/L)と比べ変異の数が多く確認された。作製した変異株では標的遺伝子内に、今までに報告されていない7か所の遺伝子変異または塩基の挿入が起きていることが確認された。それらの変異のうち、低感受性株ではgyrB遺伝子に最初の遺伝子変異が起こっていた。それぞれの変異遺伝子を形質転換実験により、標準菌株に導入した結果、一つの遺伝子変異のみで著しくキノロンMICが上昇する変異は確認されなかった。また、gyrA遺伝子においてのキノロン耐性決定領域から著しく離れた領域へのコドンの挿入が軽微なMIC上昇に関与していることが確認された。今後は遺伝子変異のみで説明出来ないlevofloxacinのMIC上昇について、抗菌薬の膜透過性などを評価する目的で、膜タンパク質プロファイルなどを実施し、更なる解析を実施していく予定である。
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