Project/Area Number |
15H00659
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
歯学
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小澤 雅彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2015
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 修復象牙質 / イオン導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 う蝕治療は昔から変わらず患部歯質を切削するのみである。深在性う蝕では、露髄による抜髄を余儀なくされ、結果として、破折のリスクが高まる。そこで深在性う蝕の場合でも抜髄を回避できる新たな治療法が望まれる。刺激を受けた歯髄の硬組織を形成する生体防御機能に着目し、意図的に硬組織防御層を誘導させたい。すなわち、硬組織形成促進因子をエナメル/象牙質を介して歯髄内部にイオン導入を用いて送達することにより、歯髄側に硬組織形成を誘導することを目的とする。それにより歯髄までの十分な距離を確保でき、露髄・抜髄を回避することができる。薬剤をう窩に塗布し殺菌を図る治療法と比べ、歯髄内に防御層をつくり歯髄へ刺激を減少させることが出来る点で優れており、知覚過敏症に対しても亢進した象牙質感覚を鎮める効果が期待できる。う蝕から歯髄を保護し、歯科医師にとって安全かつ確実な治療の確保、患者にとっては歯の延命というメリットをもたらすと考えられる。また、この方法は象牙質知覚過敏症に対する新しい治療法としても期待できる。 研究方法 ラット臼歯に窩洞形成を施し(齲蝕モデル)、電荷を付与した硬組織形成促進因子を象牙質経由で歯髄内に送達した。術後1週間において、硬組織形成量をマイクロCTを用いて3次元的に解析した。またH-E染色、von Kossa染色による組織学的解析も同時におこなった。 研究成果 まず、ラット窩洞形成モデルが本実験に適するか確認するため、後の歯髄内血管・リンパ管、修復象牙質の変化を調べた。窩洞形成後の歯髄内変化をH-E染色、免疫染色、real-time PCRにて確認した。窩洞形成直下の歯髄では、血管・リンパ管様管腔の拡大を認めたがリンパ管特異的遺伝子は有意に増加しなかった。術後1週間後では炎症性細胞もほとんど認めず、炎症が既に治癒していることが予想された。象牙質形成促進因子をイオン導入行わなくとも、十分量の修復象牙質の形成が認められたため、実験モデルの変更が必要であることが示唆された。
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