Project/Area Number |
15H00675
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
|
Research Institution | 金沢市立病院 |
Principal Investigator |
中西 容子 金沢市立病院, 看護部管理室, 看護師
|
Project Period (FY) |
2015
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 退院支援 / 地域連携 / 情報共有ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
日本は急速な少子超高齢社会が進む中で、医療提供体制は大きく変わろうとしている。そのため地域における医療機関の機能分化がすすみ、地域医療との連携の実績が診療報酬にも反映されることから、病院でも「退院支援」への関心が高い。さらに在院日数の短縮化により退院後も医学的管理や療養の継続が必要となることが予測され、自宅または施設において、安心して暮らせる条件づくりとしての退院支援が主要な課題となっている。継続した療養を患者中心に円滑に行うためには、病院・かかりつけ医・訪問看護ステーション・介護施設などが包括的に連携していくことが必要であり、そのためのツールとしてICTを活用した『療養支援カルテ』の作成を本研究の目的とした。『療養支援カルテ』では、患者の医療基本情報の記載、病院および訪問看護や施設スタッフの協働によるケア目標の設定、患者および家族による生活目標の設定、ケア経過録、在宅や施設から病院(病院から在宅や施設)への移行時の問題点の記載を基本としたものである。『療養支援カルテ』はICTを活用したネットワークを利用することにより、情報共有が図られるとともに、患者・家族あるいは介護スタッフを主体とした継続療養につながり、訪問看護や施設スタッフにとってもスムースでシームレスなケアに結びつくツールとなり、患者とともに構築する地域医療として期待できると考えた。そこで、過去3年間にわたり、当院から訪問看護を利用したケースや介護施設での療養を継続したケースについて患者に関する基礎情報を電子カルテから調査した。また、市内の訪問看護ステーションや介護施設を対象に、医療機関から指導されて、くるケア内容の主なものと実際に退院後のケアで提供している内容とのズレについて、半構成的に聞き取り調査を実施した。これらの結果をふまえて、『療養支援カルテ』に乗せるチェック項目の選定とフリー記載欄を設けるデータベースとなるフォーマットを作成した。ネットワークに関しては、石川県でのIDリンクを活用し、金沢市医師会が中心に進めているハートネットホスピタルに参加することにより個人情報保護とセキュリティが保持された。今後は、地域連携室を窓口に、金沢市立病院入院患者で、退院が近く訪問看護を利用予定または介護施設に入所しケアを継続する患者を対象に、主治医の許可を得たうえで患者・家族の同意を得た方を対象に『療養支援カルテ』を活用した退院指導を行い、指導に際しては、利用する訪問看護ステーションや介護施設のスタッフとのコミュニケーションツールとし、療養環境や介護資源などを加味しながら、日常生活の中でのケア方法を、患者の個別的な注意点や観察ポイントなどを踏まえた『療養支援カルテ』の活用により評価していく。
|