Analysis of mouse-nairovirus infection model and investigation of drugs.
Project/Area Number |
15H05655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 秋宏 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 助教 (90421982)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥23,920,000 (Direct Cost: ¥18,400,000、Indirect Cost: ¥5,520,000)
Fiscal Year 2018: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2017: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2016: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2015: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | ウィルス / 感染症 / ナイロウイルス / アレナウイルス / 出血熱 / 創薬 / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
野生動物を宿主とする微生物による感染症の多くは、Neglected Diseaseであり、有効な予防法や治療法が確立していないことが多い。例えば、野生動物とヒトとの接触の機会が多いアフリカ大陸では、齧歯類のマストミスを宿主とするアレナウイルス科ラッサウイルス、ダニを媒介昆虫として感染するブニヤウイルス科ナイロウイルス属クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)といった出血熱感染症の病原体が多数存在しているが、いずれの出血熱に対しても有効な治療法は存在していない。出血熱はアフリカ地域等発展途上国での発生が多いneglected tropical diseaseであり、治療薬剤、ワクチン等の開発も遅れている。これらのウイルス研究は精力的に行われているが、多くの国で高度封じ込めBiosafety level-4 (BSL-4)での取り扱いが義務づけられ、限定された施設でのみ実施可能な状況であることや、ほとんどの出血熱関連ウイルスが、主要な実験動物であるマウス等の小動物への感染において症状を示さないため、生体における研究は困難である。 本研究者が過去の研究で発見、分離した新規アレナウイルスLuna virus、新規ナイロウイルスLeopards Hillウイルス(LPHV)は、ヒトへの病原性は報告されていないが、遺伝的にそれぞれ、ラッサウイルス、CCHFウイルスと近縁である。特に、LPHVは近交系マウスC57BL/6Jに出血熱様の症状を伴う致死的な感染症を発症させることから、ナイロウイルスによる出血熱の動物モデルとして有用であると考えられる。昨年度までに、上記ウイルス及び病原性を持たないと考えられる近縁ウイルスをスクリーニングのツールとして、アレナ、ナイロウイルス感染症に対する創薬のシード化合物となり得る高い抗ウイルス活性をもつ低分子化合物を見いだしている。基本骨格を共有する類縁化合物を探索し、構造活性相関を明らかにすることを目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗ウイルス薬研究については、アレナウイルス、ナイロウイルスについてin vitroでの増殖抑制活性を持つ化合物群を得られている。これらの基本骨格から、構造活性相関も見えてきており、概ね順調な進捗であると言える。今後、in vivoでの活性を持つ化合物群を発見することを目指す。 LPHVの病原性発現機構の研究は、リバースジェネティクスによる組換えウイルスの作成を引き続き検討する。これまでのところ、過去にナイロウイルスの組換えが成功したと報告のあった、DNAプラスミドからの発現法では組換えウイルスの産生が確認できておらず、RNAトランスフェクションなど他のウイルスで適用されている方法も検討する必要がある。一方、宿主側の反応として全トランスクリプトームによる解析を試みる。昨年度行った共同研究で、NGSを使用した遺伝子発現データを得たことから、この解析をすすめていく。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた抗ウイルス活性を示す低分子化合物について、薬剤耐性株を取得することで作用点の特定をする。本化合物は、ウイルス由来RNA-dependent RNA polymeraseを含むLタンパク質に作用することが示唆されている。ブニヤウイルス科ウイルスでは、オルソブニヤウイルス属ウイルスのLタンパク質の結晶構造が解析されているが、オルソブニヤウイルスを含む他3属のブニヤウイルス科ウイルスと比べ、ナイロウイルスは特異な1次構造を持っていることから単純な比較検討ができない。本研究により、ナイロウイルスLタンパク質の構造と酵素活性についての新たな知見が得られると考えられる。また、得られた化合物のうち、十分に低濃度で抗ウイルス活性を持つ物について、マウスを使ってin vivoでの活性を検討する。 LPHVの病原性発現機構の研究では、感染マウス脾臓細胞における全トランスクリプトームを行い、弱毒11SB17株、強毒11SB23株の各感染マウスと非感染マウスについて時系列の遺伝子発現データを得ている。このデータからLPHV感染と免疫機能の発現制御について解析を行う。また、リバースジェネティクスによるウイルスの作成は、これまでの所組換えウイルスを検出できておらず、DNAミニゲノムを用いた方法ではうまく作成できない可能性も考えられたことから、in vitro RNA転写でのウイルスゲノムの作成とトランスフェクションなど別の方法を検討する
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)