市販鶏肉の表面で繰り広げられる細菌と原生動物の相互作用の可視化と応用
Project/Area Number |
15H05997
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大久保 寅彦 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (90762196)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 細菌叢 / 食品衛生 / 原生動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 市販鶏肉上で生じている細菌と原生動物の相互作用を可視化するという当初計画に基づき、予備試験、鶏肉サンプルの採材、微生物叢解析、原生動物の分離培養を実施した。 2. 鶏肉とアメーバまたはアメーバDNAを用いた予備試験により、鶏肉からの原生動物の検出限界は、培養法で1,000cell/g、遺伝子検出法(PCR)で0.1cell/gであると求められた。 3. 市販鶏肉を購入し、(1)当日 (2)4℃ 2days (3)4℃ 7days (4)15℃ 2days (5)15℃ 7daysの条件で静置後にDNAを抽出し、微生物叢解析を行なった。16S rDNAに基づく細菌叢解析の結果、当日サンプルではガンマプロテオバクテリアやバシルスなどが多く、細菌叢に多様性がみられたのに対し、4℃静置サンプルではガンマプロテオバクテリアが圧倒的多数となっていた。属レベルで見た場合、こうしたガンマプロテオバクテリアの多くはエロモナス、シュードモナスなどの水系細菌・低温発育菌であったことから、こうした細菌は冷蔵した鶏肉の上で増殖し続けていたと考えられた。一方、15℃静置サンプルにおいては、2days時点ではガンマプロテオバクテリアが優占化したが、7days時点ではバクテロイデスの大幅な増加がみられた。これは好気性菌の増殖によって鶏肉表面の酸素が消費されたことによるものと考えられる。 4. 当初、18S rDNAにもとづく原生生物叢の解析を実施予定であったが、ニワトリ由来DNAが障害となって解析を実施できなかった。分離培養では、2サンプルから2種類の鞭毛虫(Parabodo sp., Sandona sp.)を得た。これらの鞭毛虫と食中毒菌(E.coli, Salmonella Enteritidis)の共培養を実施したが、鞭毛虫は細菌数の増減に有意な影響を与えなかった。 5. 鶏肉表面で生じている細菌叢構成の劇的な変化、および鶏肉に付着する鞭毛虫を検出した。今回は食中毒菌と相互作用する原生動物は得られなかったが、今後の調査により細菌の生存性や病原性に影響する微生物の検出につなげたい。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)