犬種特異的な炎症性結直腸ポリープの病態に対する腸内細菌叢の関与メカニズムの解明
Project/Area Number |
15H06153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Veterinary medical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 寛高 東京大学, 農学生命科学研究科, 研究員 (20758172)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 炎症性ポリープ / ミニチュア・ダックスフンド / 腸内細菌叢 / 短鎖脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
過去4週間に抗菌薬の投与を受けていない炎症性結直腸ポリープ(ICRP)のミニチュア・ダックスフンド症例犬6頭および健常なミニチュア・ダックスフンド12頭の糞便よりDNAを抽出し、Illumina MiSeqシステムを用いて16S解析を行った。その結果、ICRP症例犬は健常犬とは異なる細菌叢を有し、特に症例犬ではFusobacteria門が増加し、短鎖脂肪酸(SCFA)産生菌の1群であるLachnospiraceae科が有意に減少していることが明らかとなった。さらに、症例犬6頭のうちの5頭からICRPの寛解後に採取された糞便を解析対象に加えたところ、腸内細菌叢構成は初診時よりも健常犬のものに類似するように変化していることが判明した。
次に、過去3週間にわたり抗菌薬投与歴のないICRP症例犬11頭およびメトロニダゾールを投与されていたICRP症例犬8頭、ならびに対照犬25頭より糞便を採取し、糞便中のSCFA濃度を高速液体クロマトグラフィーにより解析した。その結果、抗菌薬投与歴のないICRP症例犬では対照犬よりも糞便中SCFA濃度が低く、特に酢酸・プロピオン酸が有意に減少していることが明らかとなった。一方、メトロニダゾールを投与されていたICRP症例犬はいずれのSCFA濃度も他群と有意差を示さなかった。
以上の結果より、ICRP症例犬では腸内細菌叢の変動が生じ、その結果として腸管内のSCFA濃度が減少していることが示唆された。ただ、ヒトの炎症性腸疾患では酪酸の減少が制御性T細胞の分化誘導異常につながると考えられているのと異なり、ICRP症例犬では酢酸・プロピオン酸の減少が中心的役割を担っているものと考えられた。そのため、このSCFAの減少につながる菌種を同定するとともに、ICRP病変部における制御性T細胞を含めた免疫応答の異常に至るメカニズムを今後さらに解析する予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)