Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
現在、日本では夫婦の7組に1組が不妊だといわれており、その解決は急務である。体外授精・顕微授精で産まれた新生児の障害リスクは自 然妊娠に比べて高いことが報告されている。自然妊娠には精子が卵まで導かれる必要があり、精子誘引物質によって達成される。これまでに、ウニ・ニシン・カエルそして植物において分泌性のペプチドにより精子/ 花粉管が、卵へ誘引されることが知られているが、種特異性をもつ哺乳 類の誘引ペプチドは同定されていない。本研究は不妊症の解消のために精子誘引物質の同定を目的とし、自然妊娠の一助となる受精効率の向上を目指した。これまでに報告されているペプチド性の精子誘引物質と似た特徴を持つ遺伝子をマウスでin silico解析をおこなった。次に、本学の動物実験施設においてマウス(C57BL/6)を用いて、PMSGとhCGによる過排卵誘導で、品質の良い卵が得られる条件を検討した。また、精子誘引活性を測定するための生理実験に耐えうる精子の採集についても検討した。取得した卵と精子を用いておこなう生理実験のためのマイクロ流体デバイスの設計をおこなった。今後は、既に確立されている採集法により得た未成熟卵と培地内での成熟手法とを交えて生理実験をおこなうことで、卵が精子誘引能力を獲得する時期を特定する。また、卵丘細胞の有無によっても誘引能力が異なるかを生理実験によって明らかにし、それぞれの卵細胞を質量分析と次世代シーケンサーによって解析する。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。