中世宮廷社会における絵巻物の新解釈と継承をめぐって-「足引絵」を中心に-
Project/Area Number |
15J00994
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fine art history
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤田 紗樹 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2016: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 絵巻物 / 秋夜長物語 / 稚児物語 / 足引絵 / 慕帰絵 / 稚児 / 日本美術史 / 芦引絵 / なよ竹物語絵巻 / 秋夜長物語絵巻 / 法然上人絵伝 / 日本中世 / 似絵 / 美術史 / 絵巻 / 天皇 / 芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は「足引絵」の比較対象として予定していた「慕帰絵」と「秋夜長物語絵巻」の研究を中心に行い、両絵巻と「足引絵」の比較を行った。 「慕帰絵」は、稚児時代の覚如の事績を三巻に渡って取り上げており、本絵巻の稚児の表象には重要な意味付けがなされていると考えられる。申請者は昨年度から、研究課題:『慕帰絵』の制作事情をめぐる総合的研究 ―覚如像の構築方法と建築表現に注目して(代表者:池田忍 研究番号:16H03371)の研究協力者として知見を広めてきた。「慕帰絵」には、初期本願寺の宗教環境を強く反映した描写が認められ、さらに本願寺に関わる貴族たちを個人が特定できるよう描いていることが研究代表者および分担者によって明らかにされた。この宗教環境の一つには、本願寺の本所である延暦寺の院家も含まれる。稚児の表象と、貴族および貴顕が入室する寺院との密接な関係が「慕帰絵」には反映されており、このような絵巻制作の事情が、延暦寺における「足引絵」の制作と、その後の宮廷での鑑賞と制作に繋がることが指摘できた。 また「秋夜長物語絵巻」については、詞書の分析を通して、上巻詞書筆者が本絵巻の制作に深く関与している可能性を新たに提示した。この考察に、昨年度行った口頭発表(A Preliminary Study of the Aki no Yononaga monogatari emaki)の内容の一部を加え、論文とした(メトロポリタン美術館所蔵「秋夜長物語絵巻」の基礎的考察)。 さらに、「秋夜長物語絵巻」は雲居寺周辺の唱導僧が関与して制作されたとの仮説を各研究会で発表し、研究者から助言・教示を受け、考察を深めてきた。制作背景の考察と同時に、「足引絵」が宮中で積極的に鑑賞・制作がなされたのに対し、「秋夜長物語絵巻」が宮中で鑑賞された記録が僅少なのは、元来の制作環境の違いが大きく影響しているとの見解が得られた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)