格子QCDと拡張した最大エントロピー法による有限温度媒質の動的性質の高分解能測定
Project/Area Number |
15J01789
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 惇郎 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | クォーク・グルーオン・プラズマ / 格子QCD / 重イオン衝突実験 / 相対論的重イオン衝突実験 / 有限温度の場の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱媒質中における粒子の振る舞いは量子色力学によって記述され、格子量子色力学第一原理計算により虚時間相関関数を得ることができる。チャームクォーク拡散係数およびチャーモニウムの動的性質は、それぞれスペクトル関数の低エネルギー領域、中間領域(束縛状態の質量付近)から読み取ることができる。スペクトル関数は遅延相関関数の虚部に対応し、虚時間相関関数を解析接続することで得ることができる。しかし計算機能力の限界により、得られるスペクトル関数の情報は限定的である。 本研究では格子量子色力学第一原理計算を用いてチャーモニウム虚時間相関関数を生成し、それぞれ異なる方法でチャームクォーク拡散係数およびチャーモニウムの動的性質を調べた。 チャームクォーク拡散係数については、時間成分の運動量依存性に注目した。虚時間相関関数の時間成分の解析は、スペクトル関数の高エネルギー領域の寄与が空間成分に比べて抑えられているという点で優れている。この解析により最低限の仮定を元にチャームクォーク拡散係数に対して第一原理計算による制限を与えた。この結果について論文を準備中である。 チャーモニウムの動的性質については、最大エントロピー法を用いてスペクトル関数を復元し、束縛状態に対応するピークの運動量依存性を調べた。これにより有限温度媒質中におけるチャーモニウムの分散関係およびスペクトル関数のピークの強度の運動量依存性が真空におけるものと同じ運動量依存性をもつこと、温度の上昇にともなうチャーモニウム質量の増加を見出した。この結果について論文Ikeda, Asakawa, and Kitazawa, Phys. Rev. D 95, 014504 (2017)を出版した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)