穆時英小説研究――中国モダニズム文学研究の一環として――」
Project/Area Number |
15J02810
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chinese literature
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福長 悠 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2017: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2016: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 新感覚派 / モダニズム文学 / プロレタリア文学 / 間テクスト性 / ジェンダー / 比較文学 / 上海 / 穆時英 / 中国モダニズム文学 / 中国新感覚派 / 心理表象 / 都市表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、20世紀30年代に中国で活躍した作家、穆時英(1912-1940)の文学的営為について明らかにすることを目的としている。特に、穆時英のテクストが、モダニズム文学、プロレタリア文学など複数の文芸思潮の交流と対抗関係のうえに成り立っていることを明らかにしようと試みる。 まず、新感覚派に影響を与えたとされる日本の詩人・翻訳家堀口大學の、穆時英に対する影響を調査した。穆時英は初期を代表する作品「南北極」と、新感覚派的な作風の第一作「被當作消遣品的男子」で、どちらも堀口大學の詩句を引用していることが明らかになった。堀口大學の受容からは、穆時英作品における性愛およびジェンダーの問題の展開について論を広げることができた。 次に、穆時英の初期の作品である「生活在海上的人們」(海に生きる人々)の社会的政治的背景を調査した。具体的には、『申報』、『新聞報』など1930年代の新聞報道、および80年代に共産党の地方組織が革命運動史を整理した資料を調査し、同作品が1930年に浙江省舟山群島の六横島で発生した暴動に題材を得ていることを明らかにした。穆時英はプロレタリア文学と同じ題材を用いつつ、新聞記事の文章語を、情感に満ちた下層民の俗語に置き換えることで、群衆の視点に立った表象を試みている。 最後に、中編小説『空閑少佐』に関する報道を調査した。同作品は、1932年の第一次上海事変の際に自決した実在の日本軍人に題材を得たものである。報告者は『時事新報』、『The Shanghai Times』等、上海で発行された新聞における、空閑少佐の報道を調査した。 以上から、穆時英が同時代の日本文学や新聞報道など、幅広いテクストを小説の材料に用いていることが明らかになった。同時に、影響関係の調査を通して、穆時英作品におけるジェンダーの問題、社会的出来事に対するジャーナリスティックな関心に考察を進めることができた。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)