ファッションの成立過程―「古着」の歴史的/重層的ダイナミズムをめぐって
Project/Area Number |
15J03013
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clothing life/Dwelling life
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
須永 咲 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 近代ファッション史 / 消費文化 / 授乳服 / 女性史 / 階級 / クリノリン / 労働者階級文化 / 都市空間 / 衣生活 / サーヴァント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、近代ファッションと女性の主体化に関する課題に取り組んだ。 具体的には、英国での資料調査を行い、女性の出産・育児や授乳という必ずしも階級に還元しきれない普遍的な行為が女性のファッションと歴史的にどのような関係を持つか、資料の収集と考察の深化に努めた。調査訪問先の一つであるヴィクトリア&アルバート博物館では、19世紀中期に制作されたナーサリードレス(授乳服)の観察・撮影を行った。この授乳服の観察過程から、当時も授乳とファッション性との間で葛藤する女性の姿を垣間見ることができた。 資料調査を行った過程で、ブルジョア階級女性と労働者階級女性との間で、ファッションという一点においては、共闘関係にあったと見なすことができるのではないか、という仮説に至った。昨年度の研究成果であるヴィクトリア朝中期のサーヴァントの女性たち(家事使用人)のファッションへの包摂過程の両義性と、彼女らと生活空間を共有していた「女主人」であるブルジョア階級の女性たちが、仕立服の消費主体として台頭し始めていた過程において、女性の「解放」や共闘のあり方を認めることができるのではないだろうか。ファッションという日常生活の実践を通してみたブルジョア階級と労働者階級との関係性を、「分断」でも「啓蒙」でもないこれまで語られてこなかった側面から、描きなおすことを試みた。 今回の資料調査で得られた資料をより具体的に分析することで、ブルジョア階級女性と女性使用人との関係性や、ブルジョア階級女性とファッションの関係性を明らかにするだけでなく、こうした衣服がどのように「古着」の質的転換と関わったのかを明らかにし、ファッションの成立過程を捉え返していくつもりである。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)