近代ベルギーにおける多文化共生の音楽文化基盤:音楽教育構築による多様性の中の統一
Project/Area Number |
15J04015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics and studies on art
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大迫 知佳子 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 音楽理論史 / 音楽文化政策史 |
Outline of Annual Research Achievements |
近代ベルギーにおける音楽理論家達による音楽文化基盤の創成過程を解明するという目的に対し、今年度は以下の成果を得た。 前年度における資料収集がスムーズに進んだため、今年度の研究実施計画を前倒しし、4~5月を、収集した資料の整理および7月のパリでの国際学会発表の準備期間等に充てた。この4~5月の資料整理の結果明らかになった要追加収集資料を6月~7月にかけて補足収集し、必要資料をほぼ収集し終えた。国際学会では、本研究課題の基礎となる部分について、つまり、現ベルギー出身のF. -J.フェティスの思想・活動におけるナショナリズムについて考察・発表した。結果として、1)フェティスのナショナリズムは、ベルギー全土を対象とした統一的な音楽公教育の再組織を国家政策として行うという政治的・国家主義的なナショナリズムであった、2)フェティスは、「『ベルギー音楽』というものは存在せず、ヨーロッパの尊い芸術音楽こそがその音楽教育で推進されるべきものである」という思想の下で音楽教育の再組織を行った、という2点が明らかになり、フェティスの思想・活動におけるナショナリズムは、nationalism without nationalityであったという結論を得た。 学会終了後、研究実施計画の残り(①19世紀ベルギーの音楽理論家達の理論的著述の分析、②ベルギーの音楽理論・思想への仏独の音楽理論・思想の影響の考察、③サン=シモンとオーギュスト・コントの著書および先行研究の分析)を実施した。結果として、生理学理論を援用し社会組織理論について科学的に考察しようとするフランスの社会学者たちの手法が、仏独の影響を受けたベルギーの音楽理論にも見られたことから、この時代の有機体説的な思潮を受けて、両理論が同様の方向に進んでいると推測された。 以上の成果により、申請時に立てた仮説の検証を進め、年度目標を達成することができた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)