移植効率の向上を目指した精子幹細胞の宿主内ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
15J05243
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Integrative animal science
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Research Institution | Hiroshima University (2017) National Institute for Basic Biology (2015-2016) |
Principal Investigator |
中村 隼明 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (30613723)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 精子幹細胞 / 移植 / マウス / ライブイメージング / クローン解析 / レチノイン酸 / 精細管内移植 / 幹細胞ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マウスをモデルに用いて精子幹細胞の宿主内ダイナミクスを解明し、その知見に基づいて現在非常に低い精子幹細胞の移植効率を実用可能なレベルまで向上させることである。 ライブイメージング法を用いて麻酔下で維持した宿主マウス精巣におけるドナー精子幹細胞の挙動を連続観察した。その結果、移植後の精子幹細胞は基底膜上を活発に移動しており、「分裂」と細胞間橋の断裂(「断片化」)、「細胞死」が定常状態と比較して高頻度で起こることが明らかになった。 パルス標識法による子孫細胞(クローン)の運命を解析した。その結果、移植後に基底膜上に到達したドナー精子幹細胞のほとんどが30日以内に消失し、そのうちコロニーを形成したのはわずか1/40であることを見出した。移植後に基底膜上に到達した精子幹細胞1つ1つの運命は非常に多様であり、すべてが自己複製するのではなく、その多くは「分化」して最終的に消失することを発見した。 そこで、精子幹細胞の分化シグナルであるレチノイン酸に注目し、宿主マウス精巣におけるレチノイン酸合成を一過的に阻害した。その結果、ドナー精子幹細胞の分化が抑制されると共に、自己複製が亢進され、最終的なコロニー形成効率が5倍向上した。 以上の結果より、誰も知り得なかった精子幹細胞の移植後の振舞い、さらに、その背景にある幹細胞の柔軟な性質に初めてメスが入り、生殖学や幹細胞学の分野に極めて大きなインパクトを与えた。また、本研究成果は移植した精子幹細胞の運命を制御できるという新たな概念を打ち立て、精子幹細胞が秘めた応用研究への豊かな可能性を明らかにした。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)