牧畜社会における在来生態知の日常的な習得・実践・継承:ケニア・マサイの事例から
Project/Area Number |
15J05602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田 暁潔 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 牧畜民マサイ / 子ども / 民族生物学的知識 / 日常実践 / 文化発達 / 在来生態知 / 遊び / 薪利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究は、まず、2014年と2015年の現地調査で収集した、11人の子ども(2から15歳、少年は7人、少女は4人)を対象とした5分おきの追跡調査のデータ(計13,095分間)の分析をおこなった。その際に、活動のそれぞれを、生業、遊び、休憩、移動とその他(すなわち、食事、洗面、着替えなど衣食住とかかわる活動)に分類し、頻度、場所、参与者について分析を進めた。その結果、子供たちは、成長と共に遊びに費やした時間が減少していることがわかった。また、性別によって、子供たちは異なる遊びを実践してきた。そのほか、遊びの内容について主に少年が家畜管理、少女が家作りや料理などの家事とかかわるものが多い。 定量的な分析で明らかにした項目に対してさらに定性的な分析(民族誌的な記述を主に)をおこなった。その際に、遊びと生業活動の詳細てきな記述によって、二種類の活動に見られる関連性と類似性について検討した。例えば、家畜の給水に参加した牧童たちは、水場の構造や、給水を待つ家畜群の混み合い状況、または牧童とモラン(青年男性)の役割分担などを放牧ごっこに再現した。その遊びを通して、給水の作業に参加できなかった子供たちは水場でおこなわれていた家畜給水の様子を睨むことができたのを観察した。こうしたマサイ社会にある遊びは、将来に利用する可能性がある知識や技能を、子どもたちに習得させる機能をもつのではない。むしろ子どもたちは、こうした遊びのなかで、家畜や自然資源とのさまざまな相互作用を再現することをとおして、それに関する自分の感覚を見直しつつ磨き上げていることがわかった。 上記の研究成果は、三つの国際学会と三つの国内学術大会に発表した。また昨年度に予定された少女の薪利用の論文を修正し、該当論文は"Journal of Ethnobiology and Ethnomedicine" に投稿できた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)