ウィーン体制に対するロシアの役割―ニコライ一世時代の会議外交への関与からー
Project/Area Number |
15J05807
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
International relations
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢口 啓朗 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ウィーン体制 / ロシア外交史 / 国際政治史 / ヨーロッパ協調 / ベルギー独立問題 / ニコライ一世 / 会議外交 / 両海峡通航権問題 / 第2次シリア危機 / ロンドン会議 / ダリヤ・リーヴェン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まずロシア連邦国内の公文書館で、1830年のベルギー独立問題をめぐるロンドン会議に関する史料を中心に、1830年代のロシア外交に関する未刊行史料を収集した。特にロシア帝国外交政策公文書館やロシア国立古文書公文書館では、ロシア人外交官と本国との書簡のやり取りや、外相から皇帝ニコライ一世への報告を入手した。 こうして入手した史料も一部用いて、論文「ヨーロッパ協調とニコライ一世の外交政策―ベルギー独立問題への対応から―」を『東北アジア研究』(21)に投稿し、掲載された。同論文では、これまでウィーン体制における勢力均衡や、反革命や反自由主義という立場によって神聖同盟の観点から論じられてきたニコライ一世の対ヨーロッパ外交について、ヨーロッパ協調の視点から論じた。ヨーロッパ協調は、ウィーン体制において、ヨーロッパの5大国が会議による国際問題の解決という制度を意識的に用いて、戦争を回避しつつ、ヨーロッパの国際秩序を安定的なものにすることを目指すものであった。テーマとして選んだベルギー独立問題への軍事介入は、自由主義勢力の拡大を嫌うニコライ一世が、当時ベルギーを統治していたオランダ王国を支援するために画策したものである。しかし、ロシアとしては、この軍事介入がヨーロッパ全土を巻き込む戦争に発展することは避けたかった。そのためにロシアは、会議による問題の解決や、他の大国、特にフランスの威信と安全保障を脅かさないといったヨーロッパ協調を構成する規範を意識して、軍事介入を計画していた。このように、ニコライ一世の対ヨーロッパ外交は、勢力均衡や神聖同盟だけではなく、ヨーロッパ協調にも基づいて実施されているものであった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)