Project/Area Number |
15J05870
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Tumor therapeutics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠 俊輔 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | AIMタンパク質 / 肝臓癌 / 抗がん剤 / 補体 / IgG |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肝臓癌抑制機能を持つAIMタンパク質を用いた、副作用を伴わない新規の癌治療法の開発の基盤を作る研究である。 本研究計画として、(1)AIMタンパク質を肝臓癌細胞上へ特異的に集積させ、(2)AIMの抗がん作用が発揮されること、を観察した。 癌細胞表面上に特異的に存在するタンパク質を標的とするために、マウスの癌細胞株であるHepa1.6細胞を用いて癌細胞表面上にhCD2タンパク質を発現する細胞株を樹立した。さらに、hCD2タンパク質に対する抗体の抗原認識部位をAIMタンパク質のN末端側に融合することでAIMタンパク質にhCD2標的能を付加した。その後、作製した癌細胞をAIM欠損マウスの肝臓に移植ならびにAIM融合タンパク質の投与を行った。このマウスの肝臓切片を用いて免疫染色で観察したところ癌細胞表面上に特異的にAIMタンパク質が集積したことが観察された。さらに、AIM融合タンパク質を複数回投与し癌を観察したところ、補体の活性化やマクロファージの浸潤が癌部位に観察された。以上のことから、AIM融合タンパク質の投与によって抗がん作用が発揮されており、肝臓癌治療方法として期待が持てる結果が得られた。 また当研究過程において、より生理的な現象を応用したAIMタンパク質の集積方法を見出した。肝臓癌細胞にはIgGが集積する現象を発見し、これを応用してAIMを癌領域に集積させるべく、AIMとIgG Fcの融合タンパク質を作製した。期待通り癌部位特異的にAIMの集積が観察された。この方法においても同様に、肝臓癌治療方法として期待が持てる結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに、hCD2に対する抗体とAIMの融合タンパク質の作製を完了している。また、実際にこの融合タンパク質を投与することにより、hCD2を発現させた肝臓癌へのAIMタンパク質の集積に成功しており、がん細胞周辺での補体系の活性化やマクロファージの浸潤・貪食、一部に壊死が誘導されるといった結果を得ている。さらには研究過程において、より生理的な現象を応用したAIMタンパク質の集積方法を見出している。肝臓癌細胞にはIgGが集積する現象を発見し、これを応用してAIMを癌領域に集積させるべく、AIMとIgG Fcの融合タンパク質を作製することにした。すでに融合タンパク質の作製に成功しており、期待通り癌部位特異的にAIMの集積を観察している。以上の様に、当初の計画に加えて、想定以上の研究成果を生み出す事ができたため、当年度の成果は期待以上であると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画において、hCD2タンパク質を用いたAIMの集積方法では、肝臓癌細胞におけるAIMタンパク質の集積に成功しており、がん細胞周辺での補体系の活性化やマクロファージの浸潤・貪食、一部に壊死の誘導などが観察された。このことから、癌細胞が攻撃されていることが示唆されるため、当初の計画通りに融合タンパク質を長期間の継続的な投与を行っていき、癌細胞の増殖抑制や肝臓からの除去が観察できるかどうかを、増殖マーカーや細胞死マーカーなどの免疫染色を用いて調べる。 当研究過程において見出された、より生理的な現象を応用したAIMタンパク質の集積方法では、肝臓癌細胞にはIgGが集積する現象を発見し、これを応用してAIMとIgG Fcの融合タンパク質を作製し癌部位特異的にAIMの集積が観察された。このことから、IgGを応用した方法においても、肝臓癌治療方法として期待が持てる結果が得られた。このAIMの集積方法は生理的な現象の利用であるため、より高い実現可能性を秘めている事から、当研究にも力を入れて進めて行く方針である。今後はhCD2タンパク質を用いた実験と同様に、AIM融合タンパク質を複数回投与し癌を観察、補体の活性化やマクロファージの浸潤さらには癌細胞の壊死誘導などが観察されるかどうかを検討していく。
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