微小変位領域での非線形摩擦特性を考慮した転がり案内の減衰機構の解明と定量的予測
Project/Area Number |
15J06292
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Design engineering/Machine functional elements/Tribology
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 康徳 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,170,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 転がり案内 / 機械要素 / 減衰 / 工作機械 / 周波数応答 / 非線形摩擦 / 弾性接触 / 非線形振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,案内面に塗布された潤滑剤が転がり案内の動特性に及ぼす影響を実験的に解明するとともに,前年度に妥当性を示した提案摩擦モデルに潤滑剤による剛性・減衰の変化を組み込み,潤滑の影響を理論的に検討した. まず,潤滑剤の種類や性状が転がり案内の動特性に及ぼす影響を明らかとするため,油およびグリースを塗布した状態で転がり案内単体の周波数応答関数を測定した.油の場合は動粘度を,グリースの場合は基油動粘度並びにちょう度をそれぞれ変化させ,摩擦に起因する共振(摩擦共振)の振動数と減衰比を評価した.その結果,潤滑剤を塗布することで摩擦力が安定化し,送り方向に生じる摩擦共振の振動数やモード減衰比のばらつきが小さくなることを示した.また,動特性に対して,グリースの場合は印加力が小さい領域(数十μmの変位領域)ではちょう度が支配的となり,印加力が大きい領域では基油動粘度が支配的となった.これは,増ちょう剤がスポンジの役割を果たしており,ちょう度(スポンジの硬さ)が,摩擦により生じる見かけの剛性・減衰に影響するためだと考えられる. 次に,実験で得られた結果を基にして,提案摩擦モデルに潤滑剤の影響を組み込むことを検討した.潤滑状態で準静的な摩擦力と変位との関係を実験的に測定し,それを基にして摩擦モデルの根幹となる初負荷曲線に修正項を加えた.潤滑剤による影響は,すべて摩擦-変位曲線に現れるため,潤滑剤の複雑なレオロジー特性をモデル化する必要ない.しかし,レオロジー特性と修正項との関係を理論的に示すことが課題である. 本研究で得られた知見を基盤とすることで,非線形摩擦を考慮した転がり案内の動特性予測モデルの構築がが可能となった.本研究をさらに発展させることで,これまでノウハウに頼っていた定量的な転がり機械要素の減衰予測,転がり案内が組み込まれた機械システムの高精度動特性解析手法の開発に応用できる.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)