新規睡眠制御遺伝子Sleepyの機能解析による睡眠覚醒制御の分子・神経基盤の解明
Project/Area Number |
15J06369
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本多 隆利 筑波大学, グローバル教育院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 睡眠 / 覚醒 / フォワード・ジェネティクス(順遺伝学) / ホメオスタシス(恒常性) / 睡眠負債 / 網羅的行動テストバッテリー / フォワード・ジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
「眠気」の脳内での物理的実体や、日々の睡眠量を一定に保つ根本原理は未知である。当研究室ではフォワード・ジェネティクス研究により、睡眠過多を呈するSleepy変異マウス家系とその原因遺伝子Sik3を見出した。SIK3 はリン酸化酵素で、中央部にプロテインキナーゼA(PKA)認識部位があり、551番目のセリン(S551)により規定される。Sleepy変異家系は、S551を含む13番目のエクソンを欠損していた。そこで申請者は、進化的に保存されたPKA認識部位S551と睡眠覚醒制御の関係性を検証すべく、CRISPR法によりS551に点変異を導入し、S551A家系、S551D家系を作製、脳波・筋電図解析を行なった。その結果、両家系ともに同腹の野生型マウスに比べ、24時間を通じて顕著な覚醒時間の減少、ノンレム睡眠時間の増加がみられた。脳波スペクトラム解析の結果、睡眠要求量を評価する指標であるノンレム睡眠時の徐波(デルタ波)量が顕著に増加していた。分子レベルでは、培養細胞を用いた生化学解析の結果、SIK3 S551の変異・欠損により、リン酸化型PKAからの認識が減少し、蛋白質の局在や相互作用を司る14-3-3との結合が失われていた。この結果はPKA/SIK3/14-3-3を介した適切なシグナル伝達が正常な睡眠覚醒制御に不可欠であることを示唆する。本研究は、細胞内シグナル伝達系と個体レベルのダイナミックな睡眠覚醒行動を繋ぐ成果であり、単一遺伝子Sik3の単一アミノ酸S551が1日の睡眠量や睡眠要求量・眠気を規定する上で重要な役割を担うことを示した。また、当初の計画より更に発展した研究として、申請者は順遺伝学により同定した新規睡眠異常マウス家系に対し独自に網羅的行動テストバッテリーを構築・実施し新規表現型を明らかにした。今後は分子遺伝学や電気生理学等を組み合わせ、分子神経基盤の解明を進める。
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Research Progress Status |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(4 results)
Research Products
(33 results)