民俗知識の継承と地域文化としての布生産の再生―トラジャの慣習復興と儀礼の変容―
Project/Area Number |
15J07456
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
日下部 啓子 首都大学東京, 人文科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2016: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | インドネシア染織 / トラジャ / 慣習復興運動 / 腰機 / 慣習復興 / サロン / セコンカンダウレ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は第一に、都市近郊のおける地域織物生産の活況の経済的、社会文化的な意義を明らかにすること、第二に周縁地域において持続する織物文化を地域文化再生の方向性において探ること、第三に民俗知の伝承を技術・文化を「持続と変化」「恒常と融合」の視座から見直すことであった。このような目的を果たすために、本年は比較研究として、南・西スラウェシ州の山地部に加え、低地部の織物文化の調査を行った。両地域において、グローバル、かつローカルな手織り布への需要の高まりがみられる。低地部では、輸出用の高級絹織布が足踏み式跳び杼付き織機(ATBM)で生産されて久しい。また山地部でも、地方政府はより高い生産性をもつ足踏み式織機の導入を政策に取り入れた。一方、インドネシア経済の発展と慣習復興の動向によるインターローカルな手織り布の需要に応える地域織物生産に注目すると、従来の腰機による織物生産は、素材(糸)や布そして衣装形式の変化、且つ村落における新たな社会関係に対応しながら、再生・再編成による持続を模索している。このような調査結果から、「腰機は何故持続するのか」という当初の静態的な問いは、「腰機は如何に持続するのか」という動態的な視点からの問いに転じるべきであることが明らかになった。すなわち、腰機の基本的な機構はかわることはないが、生産物である布が使用される形式、織物生産を通じた人々の社会的な関係の有り様は、織り手の身体を媒介として、生産の技術過程に影響を与え、それが持続する条件を次に構成してゆくからである。今後の研究の課題の展開として、ローカリズムとグローバリズムの二つの潮流が交錯する現代インドネシアの文化状況において、その文化を生み出す「技術と身体」という相からの課題追求が必要である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)