Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2体ポテンシャルによるC原子の再現可能性の検討と、昨年度に完成した2元系SiGeSnポテンシャルの3元系への拡張を行った。 SiGe, GeSny, SiSn, GeSiSnおよび SiCの熱伝導率のSiおよびSn濃度依存性についてMD計算によって調査を行った。なお、SiCの計算にはTersoffポテンシャルを、その他の混晶にはSWポテンシャルを用いた。2元系混晶の結果について比較を行うと、最も平均質量が軽いSiCで熱伝導率の低下が一番小さく、最も質量差の大きい組み合わせであるSiSnが最も低い熱伝導率を示した。また、3元系混晶についてはSiSnと同等の熱伝導率低下率を示している。 混晶における熱伝導率低下率は平均質量と構成原子の質量差に大きく依存しているが、最も平均質量が重いGeSnよりSiSnやGeSiSnの方が低い熱伝導率を示していることから、構成原子の質量差による寄与が大きいと考えられる。これらの傾向は先行研究の時間独立ボルツマン方程式による計算結果においても見られており、ボルツマン方程式の仮定に含まれる種々の散乱仮定の再現ができているものと考えている。また、SiCの計算結果については組成ごとに計算結果のばらつきが大きい。これはTersoffポテンシャルを用いたMD計算が原子組成や原子の初期配列に対して敏感であり、計算結果がばらついているものだと考えている。本ポテンシャルを用いた熱伝導率評価を行うためには複数の初期配置を計算して統計的な解析を行う必要がある。 本年度はGeSiSn3元系混晶を再現可能なポテンシャルの開発を完了することができた。このポテンシャルを用いることでMD法を用いたIV族混晶のフォノン物性や熱伝導率の詳細な解析が可能になる。しかし、C元素についてはSi、Ge、Snと違って取り扱いが難しく、ポテンシャル関数の検討から行う必要があると考える。
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