シアノバクテリアにおけるセルロースをはじめとした細胞外多糖合成メカニズムの解明
Project/Area Number |
15J07605
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant molecular biology/Plant physiology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 海成 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シアノバクテリア / 細胞外多糖 / セルロース / 硫酸多糖 / c-di-GMP / 多糖合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における成果は、あるシアノバクテリアにおける細胞外硫酸多糖の発見と、その合成遺伝子クラスターの同定である。なお、本研究内容は特許申請準備中であるため、一部情報を省略している。 私は、あるシアノバクテリアを静置培養すると、細胞が粘性の細胞外物質と気泡をまとい、液面へと浮上してブルームのような細胞塊を形成することを発見した。そこで、回収法を工夫し、細胞外粘性物質をある程度選択的に回収することに成功した。その組成を分析したところ、グルコースを中心とする単糖からなる多糖であり、最大で全体の27 %が硫酸基で置換されている硫酸多糖であることも明らかになった。 次に、遺伝子破壊により、この硫酸多糖の合成遺伝子の同定をおこなった結果、とある遺伝子クラスターを同定した。そのクラスター内の個々の遺伝子の破壊株を作製し解析したところ、硫酸基転移酵素遺伝子を含むほぼ全ての遺伝子の多糖合成への関与が確認された。更に、クラスター内にはDNA結合ドメインタンパク質と二成分制御系の遺伝子も存在した。二成分制御系のヒスチジンキナーゼを破壊した株では、野生株の19倍近くもの硫酸多糖が蓄積した。一方、DNA結合タンパク質の破壊株は硫酸多糖を合成せずブルーム様細胞塊も形成しなかった。さらなる変異株解析やリアルタイム定量PCRの結果、二成分制御系がDNA結合タンパク質を介して、このクラスター内の一部遺伝子の転写を調節することで、硫酸多糖合成を制御していることが示唆された。この遺伝子クラスターには外膜に存在するべき孔タンパク質がコードされていなかったが、ゲノム上の別の位置に存在する遺伝子が関与していることも明らかにした。 本成果は、微生物の硫酸多糖合成系の同定として世界初であり、医薬品として注目されている硫酸多糖の大量生産の研究のブレイクスルーとなりえるだろう。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)