Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度には, Fano多様体, 有理等質多様体について, ベクトル束に関する幾何を中心に調べた. "接束がネフなFano多様体は等質であろう"というCampana-Peternell 予想の研究中にあらわれた興味深いベクトル束(Ottaviani 束)の幾何に着目し, そこから派生した問題として, 向井対と呼んでいる対の分類問題に昨年度から取り組み始めていた. 向井対とは Fano 多様体と豊富ベクトル束の対であって, 両者の第一 Chern 類が一致するもののことであり, そのような対の分類は, 階数が n-1 以上の場合には, 多くの研究者の寄与のうちに1990 年ごろに完成されていた. そこで, 昨年度から, 次に階数の大きい場合である階数 n-2 の場合の対の分類問題に取り組んでいた. この場合については, 次元が 5 以上の場合の分類は, すでに完了させていた. 一方で, 低次元すなわち次元 4, 階数 2 の場合の対の分類は, Novelli と Occhetta によって部分的に分類されてはいたが, 完全な分類ではなかった. そこで, 本年度にはこの未完成である場合について取り組み, 分類を与えることに成功した. とくに, これまでの結果と合わせて, 階数 n-2 の場合の対の分類が完了した. この内容については論文執筆準備中である. また Campana-Peternell 予想についても, より一般的な状況下で予想を証明すること, 特に渡邉氏を含むグループの提案した方針である, 完全旗多様体を構成する問題について取り組んだが, 決定的な結果を得ることはできなかった. 一般的な解決については新しいアイディアが必要な様子であり, 今後の課題である.
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