| Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2016: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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| Outline of Annual Research Achievements |
有機電界効果トランジスタ (OFET) は、柔軟性および加工性に優れていることから次世代の電子デバイスとして注目されている。以前、当研究室では、高い半導体特性を示すピセンに着目し、フェナントレン骨格に二つのチオフェン環が縮環したフェナントロ[1,2-b:8,7-b’]ジチオフェン (PDT) とそのアルキル誘導体を合成し、トランジスタ特性を報告した。その結果、C12-PDT を用いて作製した素子において、最大ホール移動度 2.19 cm2/Vs を達成した。さらに移動度を向上させる手法として、硫黄原子の導入位置を変え、パッキング構造に変化を生じさせることが効果的である。本研究では、PDT の硫黄原子の位置を変化させたフェナントロ[2,1-b:7,8-b’]ジチオフェン (PDT-2) およびそのドデシル誘導体 (C12-PDT-2) の合成をおこなった。また、合成した化合物群の HOMO の形状変化や最安定構造およびトランジスタ特性について評価した。これらのフェナセン類縁体は高い大気安定性を示す一方で、しきい電圧が高く、低電圧駆動が困難であるといった欠点がある。この問題を解決するために、分子骨格の一部にアセン部分を組み込み、HOMO レべルを適度に上昇させたジベンゾ[2,3-d:2’,3’-d’]アントラ[1,2-b:5,6-b’]ジチオフェン (DBADT) とその誘導体の合成をおこない、トランジスタ素子へと応用した。また、構造―物性相関を解明するために、作製した薄膜の表面モルフォロジーや分子配向を調査した。さらに、DBADT 骨格のチオフェン環をフラン環へと変換したジベンゾ[2,3-d:2’,3’-d’]アントラ[1,2-b:5,6-b’]ジフラン (DBADF) とその誘導体の合成をおこなった。また、合成した化合物群の物理化学特性、構造―物性相関を調査した。
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