「社会科学」の誕生をめぐるフランス革命期の政治思想研究
Project/Area Number |
15J09012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 裕介 東京大学, 法学政治学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
|
Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2016: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2015: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 政治経済学 / 社会技術/社会科学 / 統治と科学 / 統治の合理化 / フランス啓蒙思想 / フランス革命 / フィジオクラット / イデオローグ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フランスでの在外研究を実施して初年度の研究成果をさらに深化させることを目指した。とくに6月初旬から7月末にかけて、リヨン第2大学の附置研究所Triangleとパリのフランス国立図書館において文献調査および現地研究者との意見交換をおこなった。 そうした研究調査の成果を踏まえつつ、10月に開催された日本政治学会の研究大会では、「18世紀フランスにおける統治改革と中国情報―フィジオクラットからイデオローグまで」と題した研究報告をおこなった(現在、投稿論文として審査中)。フィジオクラットが理想の統治モデルとして中国情報を参照した点については、前年度に実施した研究調査と日本18世紀学会での研究報告を通してすでに論じたが、今回の発表では、統治改革のための中国情報が旧体制下における啓蒙専制君主の議論にとどまらず、フランス革命期における共和政をめぐる議論の段階でも参照し続けられた点を明らかにした。とくにジャコバン独裁や恐怖政治の惨禍を潜り抜けて共和政秩序の安定化を求めたイデオローグたちは、その統治モデルを中国に探し始める。彼らにとって中国は、「共和政ではないが、共和政を特徴づける諸々の事情が専制政治に属するそれらを克服している」国であり、同時に「あらゆる変転の波に耐えうる非常に安定した習俗をもつ」国だとみなされた。 こうした中国統治の理想化には、行政権力の集権化と肥大化という現象に着目して旧体制と大革命の連続性に迫ったトクヴィルの視点も深く関わってくるであろうし、フィジオクラットの「政治経済学」や「道徳・政治科学」がイデオローグの「社会科学」へと発展していった経路とも深い関わりがあると思われる。つまり、民衆の直接的な政治参加や徳の普及ではなく、知識や学問(科学)を修得した行政エリートによる合理的な統治が理想化されていく思想史の系譜がそこには見出されるのである。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)