近世絵画における祈りと遊びの表象 ―「地獄極楽めぐり図」研究を中心に―
Project/Area Number |
15J09564
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fine art history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
曽田 めぐみ 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2016: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2015: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 河鍋暁斎 / 地獄極楽めぐり図 / 追善供養 / 下絵 / 粉本 / 模本 / 古画学習 / 維摩居士 / 文殊菩薩 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用3年目となる平成29年度(2017年4月1日~6月30日)は、研究実施計画に準じて以下の研究を遂行した。 河鍋暁斎筆「地獄極楽めぐり図」(静嘉堂文庫美術館蔵)は、14歳で亡くなった娘の田鶴を供養するために、父・勝田五兵衛が暁斎に描かせた全40図からなる画帖である。本作は「娘の追善」を目的として制作されていることから、施主である勝田家の信仰が反映されている。そのため、「地獄極楽めぐり図」に描かれた一つ一つのモチーフを理解していくうえで、勝田家の信仰の在り方を明らかにすることは大変重要な手掛かりとなる。 本年度は江戸時代に刊行された瓦版の調査を通じて、日本橋で行われた於竹大日如来の出開帳にあわせて、勝田家一族が「白米六俵」を奉納していたことが明らかとなった。また、「地獄極楽めぐり図」の新たな下絵が見出されたことは大きな発見であった。新出の下絵のうちには、田鶴が賽の河原の子供たちに達磨や木兎の玩具を手渡す中、バッタやセミといった虫たちも集まっている図もあり、大変注目される。重要な人物の周りに虫が集まるという構図は「仏涅槃図」を想起させるが、暁斎の娘・暁翠の口伝によれば、田鶴を釈迦に見立てた「仏涅槃図」をも暁斎は田鶴追善のために描いたという。田鶴の涅槃図は現在所在不明で図版も現存しないが、この度新たに発見された「賽の河原」下絵は、こうした田鶴涅槃図の構想を考える上で非常に重要な作品であると位置づけられる。 この点に関しては、勝田家の信仰の在り方とも関連付け、研究誌『暁斎』に論考をまとめて投稿する予定である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)