C70の骨格変換反応を基軸とした内包ならびにヘテロフラーレン合成と機能開発
Project/Area Number |
15J09612
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 鋭 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | フラーレンC70 / HFH2O錯体 / 水素結合 / ナノフラスコ / フラーレン / C70 / 水分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
C70開口体に対してのHF分子の挿入反応を検討した.HFはH2Oよりも体積が小さいと考えられ,理論計算においてもその挿入に必要な活性化エネルギーはH2Oより小さいことが示された.そのため,開口部は小さいがより高い収率で得られるα-13員環開口体がHFの挿入には最適であると考えた.そこで,HF-Pyridine試薬をHF源として9,000気圧120 °Cの条件下で挿入反応を行った. その結果,予想したHFを一分子内包したものに加えて,H2OHF錯体とH2Oを内包した開口体がそれぞれ得られた.一方で,HF-Pyridineを加えない条件では,やはり水分子の内包はほとんど確認できなかった.このことから,HFがH2Oの内包に影響を与えていることが明らかとなった.すなわち,最初に内包されたHF分子が,内側からの相互作用により,外部に存在する水分子の挿入に必要な活性化エネルギーを低下させているとものと考えられる.その後,二段階の反応により開口部を完全に閉じることで,HF@C70,(H2OHF)@C70,H2O@C70がそれぞれ得られた.(H2OHF)@C70の構造は単結晶X線構造解析とNMR測定により決定し,HFが水素結合のプロトンドナーであることがわかった.この研究結果はscience advances誌に受理された. また,有機化学的な手法によりて合成したH2,D2,H2O,HFをそれぞれ内包したC70に対して,窒素プラズマ法を利用したN原子の挿入を試み,基底四重項N原子の反応性について検証した.その結果,H2とD2を内包したC70の場合では,N原子挿入を内部に導入できたが,ケージ内部ではN原子とH2が反応しないことがわかった.有機化学的な手法と物理的手法を組み合わせることで,C70ケージが二つの化学種の反応を検証するナノフラスコとして利用出来ることを示した.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)