Project/Area Number |
15J09846
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日向 理彦 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2016: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 熱力学 / 統計力学 / 量子多体系 / 熱的量子純粋状態 / TPQ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年開発された熱的な量子純粋(Thermal Pure Quantum; TPQ)状態を用いた量子統計力学の再定式化によれば、たった一つの量子純粋状態を作成することで、エントロピーやエネルギー、比熱、自由エネルギーといった熱力学的に興味のある任意の物理量を求めることができる。 従来理論では基本的に量子スピン系を対象としており、非常に限られた物理モデルにしか適用できない形となっていた。この制限を取り払うために本研究者グランドカノニカルTPQと呼ばれる理論を構築した。本理論の妥当性を検証するため、従来は計算が難しかった粒子系モデルに対して実際に計算を行い、厳密解との比較を行うことで本理論が非常に精度よく対象モデルの物性を数値計算にて求められることを示した。 さらなる発展として、TPQを長距離相互作用のある量子系に対して適用するという研究を行った。長距離相互作用系では、古典系であっても非常に特異な性質を持つことが知られており、例えばエネルギーなどが系の大きさに一般には比例しないことなどが知られている。系の大きさが非常に大きな場合にはその振る舞いは既に知られていたが、系のパラメータによっては惑星サイズまで大きくならない限り近似的にならない場合がある。本研究者は、そのことを実際に理論的・数値実験的に示し、また一定の条件をみたす場合には非常に大きい極限のみならず現実的な大きさの範囲内でも成り立つようなスケーリング則を発見した。上記研究が量子系に対しても適用可能かどうかを調べるための数値計算手法の開発及び、実際の数値計算コードの開発を行った。短距離相互作用のみしかない系と比べると計算コストが非常に高く、またある程度の大きさの系までシミュレーションしなければスケーリング則が観測できないことなどから、有意な結果は得られていないが、古典長距離系と同様のスケーリング則が観測できるものと期待できる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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