Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
生体機能を調節する膜蛋白質(例えばロドプシン)の機能は「水素イオンのポンプ」、「イオン輸送」など多岐に渡る。この膜蛋白質の中で、1)水素イオンポンプ機能を有しているバクテリオロドプシン(bR)、2)陽イオンを輸送するチャネルロドプシン(ChR)はG蛋白質のモデル蛋白質として、さらにはプロトン移動反応のモデル蛋白質として、非常に重要な蛋白質である。本研究では申請者が開発したPaCS-MD(蛋白質の状態間を接続することができる画期的な計算技術)を利用する。ロドプシンファミリー蛋白質を例にとって「小さな局所的構造変化が、蛋白質により増幅され、数十オングストローム規模で伝播し、(大きな)反応を誘起する機構」を明らかにし、機能と構造の連動性を解明することを主目的としている。本年度はbRを用いてプロトン移動と蛋白質の大規模構造変化の連動性・レチナールの異性化による蛋白質への影響を明らかにする。具体的には、既知の構造変化をPaCS-MDを使用して接続することを目標とした。本年度開始した研究であるため、現段階ではあまり解析が進んでいない。これまで報告されている多くの構造解析データに関して、現在構造情報を精査中の状況である。一方で、今後の研究に必要な情報である力場の作成に取り組んでおり、有用な力場を完成させている。今後、これらのデータが融合されることによって、蛋白質内プロトン・イオン移動反応と局所・全体構造変化の連動機構が明らかにする予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。