Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ゴキブリに寄生するゴキブリ寄生性線虫(Thelastomatidae科線虫種)を調査するために、日本国内で捕獲できるクロゴキブリやワモンゴキブリ等を含めた計14種のゴキブリを解剖してきた。その結果、ほとんどがゴキブリ種に対応して特定の線虫種が寄生しており、種の組み合わせがほぼ決まっていることが明らかとなった。また、前年度から続けて来た線虫を複数のゴキブリ宿主へ人工感染させる実験データをさらに充実させ、クロゴキブリ寄生性線虫が2亜目3科計5種のゴキブリに広く寄生できることを明らかにし、クロゴキブリ寄生性線虫は他のゴキブリ宿主へ感染する能力があり、非常に広い宿主範囲を持つと言えることができた。以上の結果から線虫のゴキブリ宿主への感染能力や寄生性線虫の宿主特異性に関して考察し論文としてEcology and Evolutionに投稿し受理された。日本の主に九州・沖縄に定着するワモンゴキブリには、2種類の寄生性線虫が同時に寄生していることを明らかにしたが、各国で捕獲されたワモンゴキブリには、これら2種類とは別の線虫種が寄生していたとする報告があった。そこで宿主であるワモンゴキブリの遺伝子多型およびその寄生性線虫種を基にしたワモンゴキブリの拡散経路の歴史やその原産地の推定を目指して、インドネシア、フィジー、日本でワモンゴキブリのサンプリング及びその寄生性線虫種の調査を行なってきた。インドネシアのワモンゴキブリはこれまで調査したフィジー等よりも明らかにゴキブリのmtDNA部分領域の遺伝子多型の多様性や線虫の種の多様性が高いことがわかった。以上の成果などから、ゴキブリと寄生性線虫を対象として宿主と寄生性線虫の寄生・共生関係のメカニズムや進化を理解するための基礎的なデータを得ることができ、今後有用なモデル生物と成りうることが考えられた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (11 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 3 results, Acknowledgement Compliant: 3 results) Presentation (16 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results) Remarks (1 results)
Ecology and Evolution
Volume: 印刷中 Issue: 8 Pages: 3908-3918
10.1002/ece3.3948
Insect Science
Volume: 印刷中 Issue: 4 Pages: 721-731
10.1111/1744-7917.12565
Acta Parasitologica
Volume: 61(4) Issue: 4 Pages: 720-728
10.1515/ap-2016-0101
Microbes and Environments
Volume: 31 Issue: 3 Pages: 314-320
10.1264/jsme2.ME16088
130005265108
Volume: 61(2) Issue: 2 Pages: 241-254
10.1515/ap-2016-0034
https://www3.chubu.ac.jp/research/news/23292/