不登校・高校中退者の学校再経由の進路選択に関する研究-サポート校生徒に着目して-
Project/Area Number |
15J10651
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内田 康弘 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 純粋な関係性 / 結束型社会関係資本 / 友人関係の「切り替え」 / 戦略的互恵関係 / 制度的移植者 / 橋渡し型社会関係資本 / 多元的な友人関係の構築 / 高校中退後の学校世界を生き抜く方略 / 「前籍校の履歴現象効果」の導出 / サポート校生徒の学校再経由の進路選択過程 / 不登校・高校中退経験者の自己再定義過程 / サポート校における地域的共通性・差異性の導出 / 「重要な移動」としての高校中退経験 / 「重要な他者」としてのサポート校スタッフの存在 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高校不登校・中退経験者の学校再経由による進路選択過程に関して、私立通信制高校サポート校(以下、サポート校)生徒に焦点を当てた継時的な考察・分析を行い、現代日本における高校不登校・中退経験者の、「学校再経由の進路保障」の一事例に関する知見の提出を試みるものである。そのため、全国展開する大規模サポート校X学院グループ(生徒数約5,000人)協力のもと、その代表校であるX学院V校(Vは地名)において定期的なフィールドワーク(参加観察・インタビュー調査)を行い、分析・考察を行った。本年度は研究計画に基づき、不登校・高校中退経験を有する生徒たちの、サポート校内部の学校生活(スループット)に着目して、特に、友人関係の形成プロセスとその機能に関する分析を行った。 調査・分析の結果、生徒の流動性が高いサポート校という教育環境では、独自のカリキュラムが同質的な友人関係を形成する場・契機となっていた。そこでは、前籍校で構築された各生徒のキャラに基づく形で生徒集団が分化し、各生徒文化に親和的な同質性の高い生徒が転編入学によって常時集まることで、「純粋な関係性」としての日常的互恵関係(ヨコのつながり)の形成が促進され、そこに結束型の社会関係資本が蓄積されることで、生徒たちはV校での日常的な学校生活を円滑に送っていた。 加えて、V校ではグループ間の境界を柔軟に往還する「制度的移植者」が基軸となって、各生徒が学校生活に対する生存戦略として友人関係の「切り替え」を行うという、巧みな実践が喚起されていた。こうして形成された戦略的互恵関係(タテのつながり)によって、各グループの境界を超えた橋渡し型の社会関係資本が同時に蓄積され、多元的な友人関係を同時に構築することによって、生徒たちは不登校・高校中退経験後の通信制高校・サポート校という、流動性の高い学校生活を戦略的に生き抜いていく実態を明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)