ショウジョウバエ消化管の左右性を制御する遺伝的機構に関する研究
Project/Area Number |
16027249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松野 健治 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (60318227)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 左右軸 / 左右非対称性 / 非定型ミオシン / ミオシンI / 消化管 / 形態形成 / 発生 / ショウジョウバエ / 左右性 / 体軸 / 遺伝的スクリーン |
Research Abstract |
外部形態が左右相称な動物においても、その内臓器官が左右非対称性を示す場合がある。脊椎動物の左右軸の成立機構に関しては、すでに多くの知見が得られている。しかし、旧口動物の左右非対称性形成機構については、ほとんど理解されていない。本研究では、遺伝学的解析手段が駆使できるショウジョウバエの消化管の左右非対称性に着目し、左右性に関与する遺伝子を網羅的に同定することを目的としている。 平成16年度までの研究によって、およそ80%の頻度で、中腸と後腸が同調した逆位を示すMyo31DF^<souther>突然変異を同定している。Myo31DF^<souther>の責任遺伝子は、非定型ミオシンIをコードするMyo31DFであった。Myo31DFホモ接合体では、成虫の内臓においても、左右非対称性の逆転が観察されることから、Myo31DFは、成虫の左右非対称性の形成にも必要であることが示唆された。正常な左右非対称形成には、Myo31DFの後腸上皮細胞での発現が必要であり、Myo31DFは、後腸上皮細胞のアクチン皮層に局在した。また、後腸上皮細胞のアクチン細胞骨格の正確な形成を阻害すると、後腸と中腸が逆位を示すことから、Myo31DFは、後腸上皮細胞で、アクチン細胞骨格依存的に機能していると考えられた。ショウジョウバエ・ゲノムプロジェクトにより、ショウジョウバエには、3つのMyosinIが存在することが知られている。その中で、Myo31DFと相同性の高いMyo61Fは、Myo31DFと拮抗的に消化管の左右性を制御していることが示唆された。後腸の収束的伸長における上皮細胞の移動が、後腸の左右非対称性形成に関与していることが示唆されたことから、これら2つのミオシンが、収束的伸長の際の細胞再編成に、左右非対称な偏りを与えているのもと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)