行為論的アプローチによる日本人の南洋進出-アホウドリを中心にして-
Project/Area Number |
16652061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human geography
|
Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | アホウドリ / 鳥類密漁 / 北西ハワイ諸島 / グアノ / 先占 / ミッドウェー諸島 / 行為目的 / 尖閣諸島 / 無人島 / ヤコウガイ |
Research Abstract |
平成18年度の研究は、前年に引き続きアホウドリなどの鳥類捕獲を行為目的として、「バード・ラッシュ」といえるほど多くの日本人がミッドウィーなど北西ハワイ諸島へ進出した問題について、具体的に個々の事件について詳細な検討を試みた。概要は、以下の通りである。 1903年、アメリカ政府は、これらの日本人の進入を防ぐため鳥類捕獲禁止という法的手段で対応しようとしたが、その後も日本人による鳥類密漁が続き、1904年にはリシアンスキー島で日本人77名がアメリカの巡視船に救助されるという事件が起こった。この事件を検討した結果、鳥類密漁が大規模で、かつ組織的であること、わずか5ヵ月間に鳥類20万羽を捕獲したこと、救助された日本人の3分の1弱は福島県出身であり、同郷のネットワークが確認できたこと、労働者の作業は、補鳥と剥製の製鳥のグループに分けられていたこと、さらに、これらの日本人の3分の2は帰国を希望せず、ハワイでの就業の道を選択したことなどを明らかにした。 1908年にも、ハームズ環礁で日本人がアメリカの民間船に救助される事件が発生したが、これも同じく鳥類の密漁を行っていた人々であり、日本の民間会社による組織的な労働者の派遣であった。しかも、密漁に使用された多くの船は、政府の補助事業である遠洋漁業奨励金を得ており、補助事業の目的である漁業ではなく鳥類の密猟を行っていた実態と、これらの船の進出先は、中部太平洋の島々、とくにリシアンスキー島、ウェーク島、スミッス島、ジョンストン島、レイサン島、ハームズ環礁など広範囲にわたっていたことなどを明らかにした。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)