Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
本研究ではナノ構造の加工技術とナノ構造における特異な力学現象を利用し、大気中、室温で動作する新しい磁気共鳴力顕微鏡を実現することを目標としている。さらに、この磁気共鳴型の顕微鏡に新しい動作原理を取り込み、微小な生物試料の3次元ナノイメージング機能を有する顕微鏡を開発する。この技術ができると、様々な応用が拓ける。例えば、細胞1個レベルで、薬剤がどのように輸送され、その薬剤が細胞内でどのように化学変化が起きるかなどを、細胞レベルの3次元イメージから追跡することができる。このような技術は、将来の医療と新薬開発に大きく貢献すると考える。また、科学計測のツールとしては、走査型プローブ顕微鏡に物質を同定する機能を付与することもできる。将来の原子核スピンを利用した量子コンピューターなど、単一の核スピンを利用するデバイスにも利用できる。磁気共鳴力センサへの応用圧電材料上に強磁性体を取り付け、あるいはパターニングし、核磁気共鳴あるいは電子スピン共鳴を検出する高感度のセンサを作製した。核磁気共鳴は、試料へ外部磁場を印加して、近傍においたコイルに高周波電流を流して振動磁場を加える。核磁気共鳴周波数は外部磁場と振動磁場の周波数の積で表される関数となる。つまり、振動磁場の周波数を一定にすると、試料上におけるある磁場強度の面だけが磁気共鳴を起こすことになる。外部磁場により、試料の核スピンが揃った状態から、核磁気共鳴により、スピンは横方向にコヒーレントに回転する状態に遷移する。通常のNMRでは、核磁気共鳴を検波用のコイルを用いて行うが、力として検出する点が大きな相違点である。核磁気共鳴により試料の磁化がわずかだけ変化するのを、前述した磁気共鳴センサで検出する。圧電ナノ振動子の先端に永久磁石をパターニングして試料に外部磁場を印加すると同時に、この磁石と試料間に働く磁気力の変化をナノ振動子の共振周波数の変化として検出する。磁気力は、磁場勾配と磁気モーメントの積になる。Si容量型のセンサを試作し、その基本的な動作と原理を確認した。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (12 results)
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