Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,視覚的注意機構と眼球運動神経系とがほぼ共通した神経機序に基づくことを示した心理物理学・神経生理学的知見に基づき,視覚的注意機構の機能を考慮した眼球運動神経系の制御モデルの構築を目的とするものである.昨年度までの成果として,一点を固視している状態で発生するsquare-wave jerkに着目し,従来のサッカード眼球運動モデルを拡張して,大脳皮質からのサッカード計画に関する信号と,中脳上丘の注視制御機によってsquare-wave jerkの発生メカニズムを説明する数理モデルを提案した.Square-wave jerkとは,マイクロサッカードと呼ばれる微小な視線のジャンプが,ごく短期間に連続して生じることにより形成される矩形波状の眼球運動であり,マイクロサッカードにより生じた注視目標からの視線のズレ(ポジション・エラー)に対し,別のマイクロサッカードによって自動的に補正する機構により生成されるものと考えられる.本研究では,ポジション・エラーとして発生するマイクロサッカードが,上丘中間層における注視細胞とサッカード細胞との相互抑制的制御機構のノイズ的活動に起因するものと仮定し,注視細胞の活動の低下によって,近辺のサッカード細胞が十分に抑制しきれなくなったとき,マイクロサッカードが発生してポジション・エラーとなると考え,この動作のモデル化に取り組んだ.昨年度までのモデルには,サッカード期間中にのみ,サッカードの振幅や速度に関する信号を発生する上丘の応答特性に問題があり,常に一定の期間だけ発火するような実装となっていた.今年度の成果として,この上丘の応答に関するモデルの記述を見直し,サッカードの速度・振幅特性をコード化した信号を発生するよう修正を施し,その成果を「Asian Conference on Vision」,および,「日本神経回路学会」にて発表した.
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