炭素のミクロ構造に基づいた有機塩素化合物の生成機構と制御法の構築
Project/Area Number |
16710043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental technology/Environmental materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坪内 直人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90333898)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 有機ハロゲン化合物 / 未燃炭素 / 炭素活性サイト / 低温再合成 / 鉄鉱石焼結プロセス / 微粉炭燃焼 / 表面構造解析 / 塩化水素 / 有機塩素化合物 |
Research Abstract |
本研究は、炭素物質の熱変換工程(熱分解・燃焼・ガス化)で発生するハロゲン化水素(HCI・HF)と未燃炭素(炭化水素や金属などから成る凝集・凝縮粒子「スス」あるいは「炭素質残査」)の低温再合成(de novo合成)による有機ハロゲン化合物の生成機構ならびに排出制御原理を分子レベルで明らかにすることを目的としている。 平成17年度は、鉄鉱石焼結機のウインドボックスから採取したダストと微粉炭燃焼時に電気集塵機で回収したフライアッシュ中の炭素とハロゲンの構造解析に取り組み、以下の結論を得た。 1.焼結ダスト中には75〜51000μg/g-dryの塩素が含まれ、その一部は未燃炭素と結合した塩素化芳香族構造として存在し、その割合は炭素表面の含酸素官能基(C-O/O-C=O)の割合が増加するとほぼ直線的に増大する。 2.フライアッシュ中には20〜130μg/g-dryのフッ素が含まれ(塩素は検出限界(10μg/g)以下)、その大部分は未燃炭素と結合した状態で存在し、このようなフッ素の量は炭素表面の(カルボキシル基+ラクトン/酸無水物)量とともに増加する。 3.熱処理直後の炭素物質上にHClを流通すると、350〜500℃ではHClは表面の炭素活性サイト(カルボキシル基やラクトン/酸無水物からCO・CO_2が脱離したあとの炭素サイト)と容易に反応して塩素化芳香族構造に転化する。 以上より、鉄鉱石焼結プロセスや微粉炭燃焼時に生成するHClとHFは、未燃炭素表面の活性サイトと反応して有機ハロゲン化合物に転換する可能性が強く示唆されたことから、炭素の表面構造は有機ハロゲン化合物の生成を制御する重要な因子であることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)