Project/Area Number |
16720090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
伊藤 さとみ 琉球大学, 法文学部, 助教授 (60347127)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | wh / unselective binding / agternative semantics / 長距離束縛 / 談話存在量化子 / 照応 / 使役文 / 埋め込み節 / 個体レベル述語 / 形容詞 / 量化 / イベント項 |
Research Abstract |
中国語に見られるwhの照応的用法が、代名詞を用いた通常の照応と異なるのは、三つ以上の節から構成できる点である。例えば、「誰先来、誰先喫、誰先洗碗(誰が先に来ても、その人が先に食べ、その人が先に皿を洗う)」は、中国語としては自然な表現であるが、日本語では代名詞を用いないといけないため、不自然になる。また、中国語という言語内でも、代名詞を用いた照応は、二つの節に限定される。whの照応的用法は、従来unselective bindingによって説明されてきたが、非明示的必然演算子を用いるため、三つ以上の節が連続する揚合、条件を表す部分と帰結を表す部分が分けられなくなり、節間の論理的関係を表せなかった。これに対し、本研究では、日本語に見られるwhの長距離束縛現象に対して提案されたHamblinのalternative semanticsを用い、冒頭の例が説明できるかどうかを検証した。まず、whの長距離束縛現象とは、「[NP誰が書いた本]が売れましたか」のように、名詞修飾節内部にあるwhを疑問詞の「か」が束縛できる現象である。alternative semanticsでは、適切な束縛子が見つかるまで、whがその作用域を拡張するとみなすことにより、長距離束縛を説明する。そこで、この分析を応用し、whの照応的用法では、最初のwhが節を超えて拡張し続け、複数の節全体をまとめる束縛子(恐らく談話存在量化子)に最終的に束縛されるとみなすことにより、その照応関係を説明することができることを示した。課題としては、この拡張を制限する方法や条件を指定することがまだ必要な点である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)