Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
次数1の頂点に付値のされた単純木構造(el-tree)に対して,内点(次数2以上の頂点)の付値をel-treeの復元と呼ぶ。ある復元が与えられたとき,el-treeの各辺の長さを辺の両端点における付値の絶対値差,el-treeの長さをその総和と定義する。このとき,el-treeの長さを最小化するような復元を最節約復元(MPR)と呼ぶ。先行研究によって,与えられたel-treeのMPRは既に特徴付けられており,また,MPR全体の空間に,ある自然な順序関係を導入したとき,分配束をなすことがわかっている。 本研究においては,これら先行研究の結果を受け,MPR束への代数的な興味として,結び演算で既約となる元(結び既約元)に焦点を当てた。結果として,(1)el-tree上の復元が,MPR束における結び規約元であるための必要十分条件の証明,(2)結び既約元を全て列挙する再帰アルゴリズムの提案とその計算量解析,(3)結び既約元からなるMPR束の部分半順序集合Pの効率的な構築法の提示,という成果を得た。(1)の成果をもとにした(2)のアルゴリズムにおいては,MPR束における結び既約元のどのひとつに関しても,与えられたel-treeの頂点数に関して線形時間で決定することができる。また,(3)においては,半順序集合Pにおける全ての被覆関係をel-treeの頂点数に関して線形時間で決定できることを示しており,このことと有限分配束の基本的な定理により,MPR束を代数的に構築するための生成元を効率よく構築できることが示せた。 次に,問題自体の拡張として,対象を閉路を高々1つ含むグラフに拡張した場合について考察を行った。任意のMPRが,各頂点において取り得る値の範囲が既に知られていたことを発展させ,ある復元がMPRであるための必要十分条件とともに,全てのMPRを列挙する再帰アルゴリズムを提示した。
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