カーボンナノチューブを基にしたナノ構造体の物性解明
Project/Area Number |
16740169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大谷 実 東京大学, 物性研究所, 助手 (50334040)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 金属内包フラーレン / カーボンナノチューブ / 電位一定の第一原理計算 / 手法開発 / フラーレン / FET素子 / 非線形光学効果 |
Research Abstract |
フラーレン内包カーボンナノチューブ(ピーポッド)は内包するフラーレン種やその向きによって金属又は絶縁体的な電子状態を持つように制御可能である.従ってピーポッドは電子素子への応用が期待されている.しかし、内包種や向きを後から制御するのは容易でない.そこで,本研究では金属内包フラーレンに注目した.金属内包フラーレンは金属を内包している為に,外場(電場・磁場)によってフラーレンの向きを制御できる可能性がある.本年度は金属内包フラーレン(Ti_2C_2@C_<78>)の電子状態を詳細に調べた.その結果,Ti原子とフラーレンケージの炭素との間にイオン結合と共有結合の特徴を併せ持つ結合が存在する事が明らかにたった.この結合によりTi原子はケージに強く束縛されており,La内包フラーレンとは違い,金属原子はフラーレン内で回転しない.内包されたC_2分子は2つのTi原子の間で自由に回転している.金属原子がフラーレン内で自由に回転していない事から,このような系では金属に直接力を及ぼせばフラーレンはナノチューブ内で回転させる事が可能である.例えば,内包金属はイオン化している事から電場による制御が考えられる. 金属内包フラーレンを内包したピーポッドの予備計算を行った.電子状態の解析を行うと内包金属のd電子が,距離が離れているにも関わらずナノチューブのπ電子と直接相互作用している事が分かった.従来のピーポッドにおけるナノチューブとフラーレンの相互作用はπ軌道間が主である.従って,金属内包フラーレンピーポッドにおいては従来とは異なる電子状態の変調が予想される. 本研究プロジェクトは本年度で終了するが,本プロジェクト中に開発したナノ構造体に電場を印可するプログラムを用いて,今後もピーポッドの電子状態制御の可能性を探索する予定である.
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)