Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
高強度コンクリートは,硬化体の密度が高く乾燥収縮量が小さい反面,自己の水和に基づく内部乾燥によって自己収縮することが知られている。この自己収縮に起因して,微細なひび割れが鉄筋による拘束条件によって鉄筋周辺に生じる可能性があり,もし,この微細なひび割れが存在すれば,付着の劣化による構造挙動の変化,かぶり厚さの低減による耐久性の劣化が懸念される。 昨年度は,高強度コンクリートの自己収縮に起因する微細なひび割れが発生するかどうかを,溝切り鉄筋を埋設し,材齢1日より,着色アルコールを溝に流し,ひび割れ発生を検証する法を開発し,実際にひびわれが鉄筋周囲にひびわれが入ることが明らかとなった。 本年度は,鉄筋拘束供試体の鉄筋ひずみを検証対象として,増分型3次元クリープ解析を行ったところ,鉄筋ひずみは想定される小さくなった。つまり,ひびわれを想定しないで生じる理想状態の応力と実際の応力では大きな隔たりが生じることが解析的に明らかになった。 そこで,この原因が鉄筋周囲のひび割れ発生に基づく付着の劣化によるものであると仮定し,水和継続中の部位のひびわれを既往の破壊エネルギーを用いた有限要素スメアードひび割れモデルの概念を発展させ,時間依存性ひび割れモデルとして提案した。このモデルを用いて,様々な鉄筋比の試験帯を用いて検証したところ良い一致を見た。本モデルは,過去に生じた最大ひび割れ幅と引張強度の進展に依存して,ひび割れた部位であっても剛性が水和によって進展するというモデルである。付着の影響とひびわれの影響がいまだ混在しているモデルではあるが,鉄筋周囲のコンクリート要素という適用範囲を考えれば,十分に実用的なモデルであると考えられる。
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