Project/Area Number |
16760581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伏見 公志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20271645)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 走査電気化学顕微鏡 / SECM / メガHz帯域交流インピーダンス / シアフォース制御 / 超音波振動プローブ / 超短パルス分極 / シアフォース / 高分解能 / 無電解めっき / プローブ微小電極 / パルス |
Research Abstract |
前年度の研究実績(プローブを超音波振動させることにより、試料表面に近接した際のプローブ-試料表面間のシアフォースを検知できるようにし、試料表面とプローブの間の距離制御に応用した)によりその機能が向上した走査電気化学顕微鏡(SECM)に、パルス電源および電流検出回路を組み入れた。この改良は、試料電極とプローブ電極間にメガHz帯域の電圧波形を入力し、流れる過渡電流の計測を目的としている。これにより、オンタイムで約30MHzまでの矩形波パルスに伴う電流検出(電流検出時間分解能:10ns、感度10μA)が可能となった。 ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液中、直径10μmの白金微小ディスク電極とモデル試料(エポキシ樹脂に埋め込んだ白金ディスク電極)間に振幅1〜5V、幅100ns、デューディ比10〜1000の矩形波パルスを印加し、パルスに伴う過渡電流を解析した結果、過渡電流の初期に流れる電流は、プローブと試料それぞれの電極表面上に形成する電気二重層の充電に消費され、その時定数は両電極間の液抵抗と二重層容量の積で表されることを確認した。また、過渡電流後半の電流は、充電完了後のファラディック電流に対応し、プローブ-試料電極間距離に応じて流れることを観察した。すなわち、充電電流とファラディック電流はプローブ直下の試料表面上で最も迅速に流れ始め、プローブ直下以外の周辺部には遅れて流れる。また、両電流はモデル試料表面の電気特性に依存し、導電体(白金)と絶縁体(エポキシ樹脂)の区別を可能とするものである。しかし、これらの電流を実際にSECMの結像信号として用いたときの電流像の面分解能は、従来法(直流の定常ファラディック電流)による面分解能に著しく劣るものであった。この理由は、プローブ-試料電極間の時定数が面分解能に影響するためであり、面分解能の向上にはより短い幅でオーバーシュートのないきれいな形状のパルスを入力すること、出力される電流を高感度に検出することが要求された。本装置の仕様を大きく上回る計測技術の導入により改善される可能性はあるが、本研究の範囲内では実施不可能であった。 なお、以上の研究成果は第56回国際電気化学会(Busan,Sep.2006)にで報告した。
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