Project/Area Number |
16770083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | スフィンゴミエリン / コレステロール / 毒素 / ライセニン / 脂質結合分子 |
Research Abstract |
脂質ラフトは、細胞膜上に存在するスフィンゴ脂質とコレステロールを主成分とする動的な微小領域である。この脂質ラフトは、信号伝達分子の集合した情報伝達の場として働き、ウィルスの感染や特異的部位への膜輸送に関与することが示唆されている。これまでに研究代表者は、スフィンゴミエリンに特異的に結合するタンパク質・ライセニンについての特徴づけを行い、ライセニンがスフィンゴミエリンの分布状態の違いを識別することを示した。本研究では、さらにライセニンのスフィンゴミエリンプローブとしての情報を得ることを目的として、共に脂質ラフトを形成するとされるコレステロールに着目し、ライセニンのスフィンゴミエリン認識機構への影響を調べた。昨年度のモデル膜を用いた解析結果を受け、今年度は細胞膜を用いて実験を行なった。 ライセニンはスフィンゴミエリン存在下でオリゴマーを形成し、細胞死を引き起こすが、ライセニンに耐性を示す変異細胞について特徴づけを行った。この変異細胞の細胞表面のスフィンゴミエリン量は親細胞と差がないことから、細胞表面上のスフィンゴミエリンの分布状態が異なり、ライセニンの毒性が変化する可能性が考えられた。脂質組成分析の結果、この変異細胞はコレステロール含量が親株よりも高いことが明らかになった。また親株に比べてコレステロール特異的な毒素がより結合することからも、細胞表面上のコレステロールの分布状態が異なることが示唆された。種々のモデル膜の実験から、コレステロールがスフィンゴミエリンと相互作用することが知られている。本研究で用いたライセニン耐性細胞において、コレステロールがスフィンゴミエリンの状態に影響し、あるいは直接的にライセニンの毒素としての活性を変化させる可能性が示された。
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